無縁仏有縁仏

→Nスペの無縁社会。ニュースの方でちらっと紹介していたのを見て、気になっていた。けど、すっかり忘れていたので後半30分だけ見た。
→三菱のおっさんだけれども、なんで大企業は退職社員用の老人ホームとか作らなかったんだろう。三菱なら三菱で、愛社精神の塊みたいなやつが集まって、四六時中昔話に花を咲かせて、ライバル会社の悪口とか言ってるの。で、死んだら三菱マーク入りの墓石。葬式も三菱なら三菱の社歌とか流れる。だいたい奥さんや子供には見放されてるけど、それなりに幸せ、とか。あるいは、子供も0歳時から三菱なら三菱向けの英才教育すれば、まさに「ゆりかごから墓場まで」だな。まあ、日本という国のシステムが、これに近いような企業による丸抱えみたいので成り立ってた、みてえなところはあるんだろうけれども。
→自分の死骸がどうなるかとかに気を払ってる人はえらいと思う。というか、正直、よくわからん。俺はまだ若く健康なせいもあるだろうが、はっきりいって自分の死骸に興味はない。死には興味があっても、それが終わったあとはもうどうでもいい。ちょっとくらい臭くなって迷惑かけても、「死んでお詫び」を先払いしてると思ってくれ、というような。
→だんだん非婚みたいなのも進んで行くだろうし、いま「無縁死」だとか呼ばれているものも、むしろこっちがスタンダードになったりするかもしれない。むしろ、今、多数派なのが「有縁死」とか呼ばれるようになるかもしれない。多数派には名前がない、だっけ。それが逆転されるレトロニム。結婚だって、どうなることか。
→俺はまだ若く健康なので、老境のことはわからない。いずれ死後の世界に目覚めるかもしれない。生きている間に目覚めるならそれは悟りというかもしれないが、そういうことでなく、何らかの信仰を持つとかそういうこと。でも、今はそうではない。自分の葬式や墓にかける金があるなら、まだ舟券を買ったり、パールイズミの春夏用サイクルジャージを買ったり、『けいおん!』の秋山澪のフィギュアでも買った方がマシである。
けいおん!秋山澪 オリジナルコスチュームVer. (1/8スケールPVC塗装済み完成品)
→この手の話を見ると、カート・ヴォネガットの「疑似家族」のアイディアを思い出すが、具体的にどんなものだったかは思い出せない。ただ、どうも俺のようにコミュニケーションを基本的に嫌う無情無縁の人間は、どのような仕組みであれ苦しいところがあるようにも思える。その点、フィギュアとかドールは物を言わないのでいいと思う。金がなくて買えないが、美しい少女人形とともに暮らせるなら、それでいい。そのときは、その人形の処遇についてだけ遺言を残す。