住宅展示場に行き、イングリッシュガーデンを見るのこと


 tvkハウジングに行った。こんど家を建てるので、その参考に。

 ……そんなわけない。かといって、はてなダイアリーの「今週のお題」である「理想の住みか」の取材に行くためでもなければ、掲載費がもらえる広告エントリーでもない。ちょっと仕事の見学みたいなのもあって、住宅展示場とイングリッシュガーデンをのぞきに行っただけである。

 しかしまあ、住宅展示場である。齢三十一にして「なぜ土地の私有というものが存在するのか意味がわからない」などと本気で思っている俺である。金持ちへの憎悪の波動を放出してやまぬ俺である。住宅展示場になど行ったら即発狂、大量殺人未遂でお縄、みたいなこともあるのではないかと思っていた。

 まあ、意外なことにそんなことにはならなかった。なんというのだろう、ここまで自分とかけ離れたものというのは、嫉妬とかそういうものの対象にすらならない。
 たとえば、今の俺にとって、通り道にある学習塾とか、まったく縁がなくてなんとも思わない。そういう感じ。あるいは、タウンマーケットTVに入ってる美容液のチラシとか、もうぜんぜん無関心で、意味がない。一戸建て? 新築? なにを言ってるのかよくわからない。もう、縁がなさすぎてなんとも思わない。たぶん、自動車展示場みたいなところに行っても同じだろう。

 あと、まあ、なんだ、こういうところに来るのは初めてなんでよくわからないが、あんまり人いなかったし。
 一緒に行った女の人の話によると、バブルのころなどは説明待ちで、ヘーベルハウスなどは、若い夫婦など「ふん」という感じであしらわれたという。
 よくわからないが、俺がこの日見たヘーベルハウスは、家の前に立つおねーさんが、人が通りがかるたびに腕にはめたぬいぐるみで気を引こうとする、そういう何かだったので、ヘーベルではなかったかもしれない。

 ‘アンナローズホイットニー’(WindowsというかGoogle日本語で単一引用符出すのってShift+7からの変換かよ)。

 なんか一日中、裏の方の工事中の家を前にした空き地みたいところで四つ葉のクローバー探したい気持ち。


 で、いきなりイングリッシュガーデンの中なんだけど。なんか入り口の写真撮ってないし。この日記にはケンもメリーもハリーもない。

 入場料は千円。先に言っとくけど、高いよ? そんなにすげえ広くないし、まだ工事中の部分もあるしさ。

 入り口のところで、なにかツアーのような集団。と、「だれだか主催、なんとかスクール」みたいな紙をこちらに向ける業者のおっさん。「この説明会は有料サービスだから、一般入場者は近づかないでくれ」と目で訴えてくる。はあ、そうですか。美術館、博物館、そういうところでこういうのに出くわすと、あんまり面白い気持ちはしない。べつに盗み聞きするつもりはないが、誤解されたくないからわざと遅く回ったり、早く行ったりとかあって、なんかさ。ちなみに、なんか解説してたのはここの主のケイ山田さんでした。

 首吊風のバラ。

 横に伸びるのフリーダム。
 あとは適当に花の写真のっけるだけだから。この日記自体、三年二ヶ月前にそういう主旨で始めたものだから。

 まあ、なんというか。

 客層は、今はなき花月園競輪の年齢層で、男女比を逆にしたような。

 しかしまあ、俺も、けっこう花とか好きだよね。

 花とゆめの男だよ。

 間違いないね。

 植物はいい。

 自然種のものだろうと園芸品種だろうと。

 野生のものだろうと仕立てられたものだろうと。

 そんな気分なのです。
 で、なんというのか、俺はガーデニングとか造園とかよくわかんないんだけど、まあ、この日この庭を見ていて思ったのは、なんかミニチュア感みてえな。

 こう、ちっちゃくなった、小人になった俺が草の中に。

 そんな目の高さを思い浮かべて。

 あっちへ行ったり。

 こっちへ行ったり。

 花とか咲いていたり。

 そんな目の高さだったりして。『借りぐらしのアリエッティ』にそんな場面があればいいなとか思ったり。

 それで、その目の高さは、訪問者が歩いてきて眺めるときのものじゃなくて、しゃがんで手入れするときの高さかな、とか。つーか、なんか作業してる人見てたら、俺もやりたくなったし。淡路の園芸学校でも行くか?

 おまえはどう思う?

 まあ、嘘だけど。

 あとは船に乗って帰った。

 船、ね。また今度書くか、書かないか。
 まあ、今日は、おしまい。