不幸嗜好症のハイエナがサッカー日本代表に近づくのこと

それから自信をなくしたとかそういうのではなくて「続けていいんですか? 会長もいろいろ言われますよ」という感じで聞いたんです。

http://southafrica2010.yahoo.co.jp/news/cdetail/201005240014-spnavi

 サッカーというと日本代表の試合とワールドカップくらいを地上波で見る程度の俺。当然、今の日本サッカーや組織、そのあたりのこともスポーツ新聞、ネット掲示板で軽く見かけることくらいしかわからん。わからんが、なんかこの岡田武史監督の発言ってのは、すごいがっくるくるものがある。
 なんというか、代表監督いうたら、代表の監督であって、監督の代表ではないのだろうけれども、まあその国のサッカーのある部分を託された人間のうちのよく目立つひとりだろうに、「続けていいんですか? 会長もいろいろ言われますよ」というあたりでいいの? というか。なんというのだろう、会長の面子とかどうでもいいじゃん。そういうもんなの? というような。どこ向いてるんだよ? みたいな。意味がよくわかんない。それで、この指揮官の下で選手がやる気になるのかどうかわかんない。もちろん、これが言葉の切れ端にすぎないし、どう編集、トリミングされてるのかもわからない(この場合、「メディアが」ではなく、岡田監督が自ら語るにあたって、という意味で)。しかし、なんかなんだかなぁと思う。
 オシム。なんかわからんけど、オシムには盛り上がった。ミーハー的にも、オシム本読んで、「この人なら」みたいなところがあった。楽しみだった。サッカーの戦術とかさっぱりわからないけど(はっきりいって、サッカー中継見てても、さっぱりなにがなんだかわからん)、なにかちょっと世界に恥ずかしくないというか、見どころのある戦いができるんじゃないかとか期待してた(昨日のすぽると!で見たブライアン・ラウドルップのインタビュー! 負けはしたが、いい戦いをした、美しいサッカーをしたと言われるような試合)ミーハーはミーハーなりに。で、岡田監督になって「?」ってなって、なんか興味が薄くなった。たぶん、こんなミーちゃんハーちゃんは、それなりにいたんじゃないだろうか。
 でも、だ。俺は最近、サッカー日本代表についての言葉を読みあさっている。俺は没落する業界、低迷するチームに、また、それをめぐる言葉に惹かれる人間だ。くそったれ悪趣味のハイエナ野郎といえる。プロレス、カープ、日本国。俺は今年のカープが気になり、去年、一昨年以上に野球を見ている。そして、サッカー日本代表。俺は鼻が利くから、日本代表から死にかけの臭いを感じている。やばい。そして、「なぜこうなったか」という議論などを見ては、悲観の空気にひたっている。俺は不幸嗜好症の人間だ。
 とはいえ、この不幸好きの人間が想像するに、これから2戦の練習試合と本番3戦、それほど最悪の結果にはならないように思う。強敵と引き分けたりして、少し見直されたりするかもしれない。たとえば、今年のカープが最下位でなく、なんか五位確保だ、というレベルの。
 それで、「どうせなら酷い負け方で叩き潰されて、0から再起だ」という人の望みすら断たれる。なんというか、モヤモヤしていって、そのまま何も終わらないし、何も始まらない。失敗や敗北をめぐる言説だけが蔓延して、俺はメランコリアの中で窒息する。

追記:

 日本サッカー協会犬飼基昭会長は24日夜、岡田監督の進退伺に関して「“会長にも迷惑がかかりますが、やってもいいんですか?”ということだった。 “オレのことは気にすることなく信じてきたサッカーをやれ”と話した」と大人の対応で事態の収束を図った。

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2010/05/25/02.html

 これも実は犬飼会長が内心は「辞任してくれないか」って思って、顔で表現していただけ、というかいうのだったら嫌だな。たぶん、違うけど。
「岡田監督の真の腹は監督継続の能否に関する私の考えを打診するにありと推察した。私は最早岡田監督続投は断念すべき時機であると咽喉まで出かかったが、どうしても言葉に出すことができなかった。私はただ私の顔色によって察してもらいたかったのである」

関連______________________

 星野仙一の監督問題などというのもあった。サッカーと野球では代表監督の重みは違うと思うが(世界の広がりを考えるに、サッカーの方が重い)、熱心なサポーターは岡田監督のことどのくらいに思ってるんだろうか。