政治家が白髪を染めるのはやめにしないか?

 3日昼には、白髪交じりの髪の毛をきっちり黒染め。1〜2分で染めあげ「テレビでは、その方がよかろうと言われた」と新鮮な気持ちで臨んだ。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20100604-OHT1T00061.htm

 樽床伸二google日本語で名前を打ち込もうとすると、先に「タルト工房」をサジェスチョンされた。なんだ、タルト工房? 樽床よりタルト工房のことを考えて生きていきたい。
 しかし、(なにが「しかし、」なのか?)、政治家が髪を染めるのはいかがたなものか。……あらかじめ断っておくが、これは難癖に近い。というか、難癖だ。ともかく、ここしばらく首相としてテレビに大うつしになることの多かった鳩山由紀夫などを見て、俺はその思いを強くしたのだ。
 鳩山由紀夫の顔。アップになると、その宇宙人的顔面に、意外と細かく老いの皺が刻み込まれていることに気がつくのである。遠目に見るときの宇宙人的印象、あの外観のイメージではなく、老いた顔だ。「ほんとうの鳩山はこんな顔なのではないか」という印象だ。そして俺は、鳩山由紀夫の白髪や、あるいは禿頭をイメージして、「そっちの方がしっくりくるのにな」と思う。そしてまた、いろいろの政治家の頭を、年相応に老いさせてみて、「しっくりくる」、「しっくりくる」とひとり暗い部屋でぶつぶつつぶやいている。

 もちろん、年老いても毎日ワカメしか食べてないから髪もくそも真っ黒というやつもいるだろう。また、俺としても人間が着飾る、見た目をいじるなんてのは、人類の起源と同時くらいにはじまったことだろうし、ぜんぜん悪いことじゃないと思っている。じっさい、俺の髪は茶髪というやつだ。また、黒髪にすることが、若作りすることが選挙で好成績を収める傾向にあるという分析みたいなものもあると思う。アメリカ大統領選とかで、ネクタイの色がどうこうとかいうやつだ。それで、ものすごくナイスな政治家がしょうもない身だしなみしかしていなくて、その力を発揮する機会を奪われるくらいなら、マニュアル通りセットして出てくるのもいいだろう。
 が、それでもだ、それでもなんか無理ねえか? というか。「政治家は見た目など気にするな!」とか、「国民に対する見た目の偽装だ!」とか、そこまでのテンションじゃねえけどさ。なんというのだろう、この、年齢不詳的な気持ち悪さというか、その気持ち悪さが当たり前になっているテンションの高さとか、子供っぽさとか。なんつーの? うーん、そんなに若けりゃいいのかよ、みてえな。若さ礼賛つーか、おっさんはおっさんらしくやってて、それでもそんなかに新しい考え方とか、明日にきらめきとか、夢にときめいたり、好きとか嫌いとか言えばいいのであって、まあなんかその、髪黒く染めているうちに、心まで黒く染めてはいないかと言いたいのだ(←はい、いいこと言った)。
 そういうわけで、俺が大統領になったあかつきには、国会議員全員を初音ミクの髪色にする法律を作るし、そうすれば心もエメラルドグリーンですごくいいと思う。だいたい初音ミクはそうとうにすばらしいとか、俺は暗い部屋でひとりぶつぶつ言ってる。