新横浜のラーメン博物館に行く

 とくに理由もなく、なんとなく新横浜のラーメン博物館に行った。遠く遠くにあるわけでもないのに、行ったことがなかった。そもそも、ラーメンに限らず飯を食うのに行列しなきゃならんというのに理解ができない。あと、変に敷居の高い店とか。
 でも、正直、うまいものが食いたいという思いもある。千円程度でうまいものが食えた、という体験ならしてみたい。そこで、ラーメン博物館とか故カレーミュージアムみたいなのはありがたい。アウトレットパークみたいなもので、ブランド店より敷居が低く、まあなんとかなりそうなところがだ。
 

 時刻は一時半ころだったか、表にはちょっとした行列。「長いお店で待ち時間四十五分くらいです」との案内。ちょっと帰ろうかと思う。が、せっかくなので入場料を払って入る。メシを食うのに入場料(以下略)。
 施設内のレトロ調はかなりたいしたものと思う。もうちょっとゆっくり見たい。見られない。人でぎゅうぎゅう。行列もどこが最後尾かわからない。「もう帰りましょうか」の世界。でも、入場料払ってるしな、の世界。ここまで来たら食べるしかない。

 食べるって、どこで? まったくラーメンにくわしくないので、狙いは「行列の短い店」、「最後尾がわかる店」。流れ着いたのは大砲ラーメンというとんこつラーメンの店だった。ちなみに、行列が短いといっても不人気でなく、並んでしばらくして後ろを見たら45分待ちになっていた。要するに、「行列の短いところ」を選ぶ客が少なからずいて、状況に応じて短いところが長く、長いところが短くと変化していくのではないか。たぶん。
 でもって、行列途中で食券とか買う仕組みで、いよいよ自分らの番。正直、想像していたよりは待たなかった。ここも長くやっているから、いろいろのノウハウがあるのだろう。たぶん。でも、外国人客多いのに(中国系?)、券売機はじめ、ほとんど外国語表記ないのは大丈夫なんだろか、など。

 で、これが本日のメーンイベンター。「昔」ラーメン(チャーシューメン?)、こってり系。同行者は無印の新?ラーメン。何が違うって味が違った。
 つーか、なんというの、今ちらっと調べたら、「豚臭」というのか、店内に入るとけっこうエグいにおいが立ち込めてる。まあ、すぐに慣れて気にならなくなった。
 それで、どんなのが出てくるかと思ったら、まあスープの中に麺が入っていて、上に具の載っているラーメンという食べ物なのだけれども。で、スープ一口すすって、口から出た言葉は「こんな味のラーメンスープ食ったことない」と。なんかこう、とにかく濃いとかそういうんじゃなくて、いろいろやってんな、みたいな。まあ、すぐに慣れてしまったが。
 ここから話が逸れるが、最近そういうのが多い。カレーとか食ってても香りがしない。いや、最初は感じる。すぐに慣れて、麻痺する感じ。これは当たり前の機能なのだろうけれども、効きすぎてるんじゃないか、とか。あと、わさびとかにもあんまりダメージ受けなくなったし、なんか鈍くなってんのかな、加齢かな。
 というわけで、ラーメン一杯食べて、みやげもの買って博物館を出た。目のまえにピカピカの新横浜場外があって、中に入ってもピカピカで、思わずひさびさに紙の馬券買って外した、おしまい。