ベイタウン本牧5番街へ行ったのこと(主にスーパーの話)

 数年前に引っ越してきて、本牧方面に目が行き始めたのもつい最近という俺なので、在りし日のマイカ本牧についてはよく知らない。本牧山頂公園に行くついでなどに廃墟っぷりを見かけてきたていどである。ゆえに、このビルの再開発がもたらす地元民の印象というのはわからない。ただ、ここのところ休日の買い物はイトーヨーカドー食品館本牧店に行くことが増えており、新たなる選択肢としてチェックしに行く。もっとも、日曜の夕方、日本シリーズの中継を見たくもあり、スーパーへの買い物ついでにちらっと見て回っただけだ。いずれじっくり回りたい。事実誤認あればご海容願う。

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 まず、一応は自転車乗りとして気になるのは「サイクルスポット」。店の外に空気入れサービスあり。品揃えはママチャリ寄り。ジャイアントのクロスバイクロードバイクの取り扱いはあった。グッズなどはあまりなかったような気がする。
 スーパーの方に回り込むと、入口のところに中華料理店と、持ち帰り販売コーナー。そして大きめのドラッグストアはHACドラッグ。イトーヨーカドーの方はサンドラッグが一階に入っており、似た構成。
 さて、このフロアの主役は、食品スーパーであるところの「フレッシュ・フードストア スマイル・ワン」である。これには興味津々。なぜならば、ここらあたりは先ほどから述べているイトーヨーカドー本牧店に加え、つるかめランド本牧店、目の前には本牧サティ、ちょっと間門寄りにはオーケーストア本牧店。さらに言えば、この地域には無数の小型スーパー上州屋があるのだ。この激戦区に、あえて殴り込みをかけてくる目算とは?
 ……と、まあ俺は商売について無知なのでわからん。わからんが、休日、俺が見る限りでは、イトーヨーカドーも食品フロアは混雑しているし(専門店が抜けまくりなのは気になるが……)、サティもかなりの混みようなのである(混み具合からヨーカードーに行ってる)。その間につるかめランドも生き残っている(失礼。でも、それほど超激安の印象もないので)わけで、まだまだ伍していく余地ありということなのだろうか。たしかに、付近には新しいマンションもあって、人は多いのだ、たぶん。
 して、店内。値段はといえば……このところの野菜の値段の変動とかからすると、一概にどうも言えんが、普通? 普通ちょっと高め? いや、俺の普通はといえば、食品館あおば元町店が「普通」というか、基準なのだが。ちなみに、あおばは生鮮食品、肉野菜鮮魚はかなり安い方だと思うが、加工食品、菓子、そのあたりについては、それほどでもなくというところ。そういったものについてはイトーヨーカドーの方が強く、使い分けをしているわけだ(両方で最強なのはオーケーであると思うが、少し遠いので)。で、その基準からすると、そうだな、たとえば肉の価格帯は高く感じた。特売は豚細切れで100g69円くらいの風速は出していたが、メーンコーナーは国産豚ブランドにこだわっているようで、軒並み100g100円超だ。ちなみに、俺は100g100円以上の肉を原則として買わない。魚に関しては、売り場奥の調理場から担当者が「今日のエビは○○で獲れたてのしめたてだから歯ごたえが違います!」などと呼びかけたりと、活気ある雰囲気だった。魚はあまり魚の価格帯についてはよくわからないが、刺身の盛り合わせなどは1000円級など並んでいて、激安の雰囲気はない。
 加工食品については、これもじっくりは見ていないがなかなかの品揃え。コーヒーあたりもそれなりに。ほか、やや広めの99円日用品雑貨コーナーがあり、品揃えもなかなかであって、わざわざ上の100円ショップに行かなくても、というあたりもある。惣菜コーナーは見ていない。パンの価格も普通か。酒類コーナーも広めだが、じっくり見ていない。菓子コーナーについては、この日はオープニングセールとして全品20%引きをしていたが、もちろん恒常ではないだろう。
 さて、このスーパーの一番特徴はといえば、レジである。レジに金を置く台がないと思ったら、半セルフ式なのである。レジで店員がバーコードを読んでくれはするが、清算はしない。QRコードの印刷されたレシートを渡される。それをその先の清算マシーンに自分で読み込ませ、金を入れて清算完了という仕組み。そのマシーンはといえば、一見して操作に戸惑うようなインターフェイスではあって、判断に数秒を要する。一回わかればなんということもないのだが。
 しかし、この仕組みにはどんなメリットがあるのだろうか。完全セルフではないので、レジに人員は必要なのだ。清算を機械化するメリット。やはりこれは、レジの待ち時間が圧縮されるということくらいしかないだろう。レジのバイトをしたわけでも、計測したわけでもないのでわからんが、おそらく「1,533円になります」と店員がつげ、客が財布の小銭入れをごしょごしょやって、チャリチャリ銭出す時間が長い。バーコードを読み取らせるのはすぐだ。これによって待ち時間圧縮→レジ台数削減→労働者削減→雇用不安→購買力・購買意欲の低下→企業の人件費削減→……という効果を狙っているのであろう。イトーヨーカドーにはnanacoカードなどもあるが、まだまだカード清算も主流ではない。というか、休日夕方のイトーヨーカドーなどは、車で来ているまとめ買い客などが多く、レジの混雑は正直言って苦痛だ。200円くらい余計に払っていいから、特急レジ作れと思うくらいだ。いや、さっきまで肉のグラムいくらを考えたりしているような人間にして、そう思わせるのだ。そのあたりがクリアになれば、レジにストレスがない→桶屋が儲かる、という流れもあるだろう。ここらあたり、たまたま空いている時間帯だったかもしれず、再訪が必要だ。使われていない「臨時レジ」などもあったし、どうなるか。

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 さて、もうスーパー話が長くなりすぎてあとは適当になるが、2階にはノジマが入った。これはうれしい。俺の行動範囲からすると、伊勢佐木町の石丸、ジャックモールノジマあたりが最短の電気量販店だったが、こちらの方がよほど近い。それなりの広さで、デジカメも一眼レフあり、パソコン類の取り扱いありと、なかなか悪くない。ほか、眼鏡市場などあって、イトーヨーカドーの2階と似た構成。サティの方の専門店はよく知らない。

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 ここの主役はダイソー。かなり大きい方だとは思うが、藤沢やイセザキモールの複数階構成に比べれば驚けない。イトーヨーカドーにもシルクが入っているが、スーパーと100円ショップは共存できるものなのだろう。ほか、自分には縁のない西松屋が入っており、これもイトーヨーカドーアカチャンホンポとぶつかるか。少子化などというが、このあたり、まだまだ若い街ということだろう。

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 なにかのクリニックが入る予定の4階、エスカレーターで登ると暗くてびびる。が、回り込んでみるとキッズスペースにペット用品店、さらになぜか延々と大量にあるガチャガチャ。奥にUSマートという100円ショップがあり、なにか独自路線なのかと思いきや、とりわけ変わっているようにも思えず、ダイソーや一階スーパーとの競合がどうなっているのかよくわからない。このフロアのアミューズメント目的の客が飲み物や菓子を買ったりはするかもしれないが、店内飲食可なのかどうか。で、おそらくは主役であろうかゲームセンター。これがなんというか、UFOキャッチャー中心のいまどきのゲーセンというかアミューズメントなのだが、なにやら薄暗くもあり、「俺の知ってるゲーセン?」というような雰囲気も。このあたり、あるいは建物の古さが醸し出すものかもしれん、藤沢のダイヤモンドビルほどではないにしろ。メダルゲームコーナー、スロットコーナーなどもあって、本牧あたりの悪ガキ一歩手前くらいの溜まり場になっても似合うだろう。

まとめ

 まあ、感想としては、イトーヨーカドー本牧店がもうひとつできたというか、サティ本牧がもうひとつできたというか。本やらCDやらゲームやらについては欠けているが、ゲオ自体がヨーカドー近くにあるからそれは入っていない。もっとも、ヨーカドーにくまざわ書店、さらにブックオフもあるのでよい。長い長い商店街には古本屋2件、書店1件もある。まあ、ベビー用品店よりは入っていてもらいたいが。ほか、前にヨーカドー一階にあったような、輸入食材店などあればよいと思ったが。いずれにせよ、廃墟であるよりはずっとましである。
 ちなみに、ここまでずらずら書いたみたいに、俺はこういう店同士の関係であるとか、客の流れであるとか、そういう話が好きで好きでたまらんのである。どんなところにどんな店がどんな狙いで出店して、どんな風な人の流れをどんな感じでつかんだり、あるいは失敗したりするのだろうか、などと。こういうのを、マーケティングとかいうのだろうか。まあ、これも人ごとであり、こちらも客として勝手にいろいろ想像しているから楽しいのであって、当事者としては胃に穴が開くような日々を送っていることと思う。とはいえ、俺は安くて、品揃えがおもしろくて、レジがストレスでない店を残酷に選ぶだけなのだ。合掌。