マイケル・サンデルのハーバード白熱教室を見るのこと

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

 なんとなく名前聴いたことあったやつ、これもなんかNHK教育でまとめて放送してた。第4回くらいから見始めたんだけど、これも面白いので一気に録って、こっちはゆっくり見ているところ。
 それで、どこが面白いかというと、俺が疑問に思ったり、知りたがってるところの話をしているところよ。

 土地の問題や、能力主義の問題。とくに、下の方のけん玉の話についてつねづねぼんやり考えている俺にとって、サンデルさんの話はおもしろかったよ。能力主義な。家庭環境や資産、文化資産、よくわかんねけえど、それの他に生まれ持っての、やっぱりこう、能力値みたいなものは現前としてあるわけで、そこんところに踏み込まないとあれだし。それに、金を稼ぐ能力についても、時代の流れとか、すごくでけえもんに左右されるしかないもんだし、そのへんな、とかな。
 いや、話が理解できた、答えを見つけた、そういうレベルじゃねえよ、俺は。定収入の高卒よ。でも、おそらくは、疑問に思ってることと重なりあう領域の問題について、どっかのエラい先生とエリート中のエリートの連中が話しあったりしてる、それ見てるだけで、楽しいじゃん。それで、蒙がちょっとは開かれれる感じがある。この上で、またクロポトキンとかちょっと読んだら、なんか腑に落ちるところがあるのかもしれないとか、無いかもしれないとかさ。
 しかしなんだね、俺が大学生くらいのときとか、関心のある領域なんてなかったな。おっさんになって、いろいろ浮かんでくるものがある。暴論を言えば、高校なんてのは職業訓練校みたいにして、今の大学進学率以上にみんな就職して、それでしばらくして学びたいものが出てきたやつは気軽に大学に行けるようになりゃいいんだろうけれども。ただ、もうそれだけの余裕が社会にはないだろう、まったく。