『魔法少女まどか☆マギカ』で鍵となるのは「3」という数字である(4人目は排除される)

 ……と、小見出しのようなことが脳に降ってきたので、これはすばらしい発想だ、前人未踏の大発見だと小躍りしながら録画を見返していたが、だいたいこれが前人未踏なのかネットを調べるのも面倒だし、検証するのも面倒だし、だいたい神学や悪魔学に詳しくもなければ、アニメとその読解についてなにか持っているわけでもないので、どうでもよくなって普通に見直した。
 だいたい、実際のところ、「3人という調和(=三位一体)を維持するために、4人目が排除される」って発想も、脳に降ってきたわけではなく、ある本の内容を思い出しただけだし(俺の書くことは信じないほうがいい)。

エヴァンゲリオンの夢―使徒進化論の幻影

エヴァンゲリオンの夢―使徒進化論の幻影

 はい、P.K.ディックの『ヴァリス』3部作とかの翻訳者・大瀧啓裕の書いたエヴァ本。これで、『エヴァ』テレビシリーズがそういう構造になっていたと絵解きされていたのだ。今どうだったのか、手元にないので確かめようもないが、読んだときは「たしかにそう見える」と納得したものだった。
 さて、『魔法少女まどか☆マギカ』はどうなのか。まず最初に現れる3人組といえば、鹿目まどか美樹さやか・志筑仁美である。この時点では魔法少女とも、魔女とも関係ない3人だ。
 ここに、暁美ほむら巴マミが現れ、バランスが崩れる。まず、魔法少女たりえぬ志筑仁美が退場させられる。一度魔女にとらわれたのは、死を意味しているといっていい。残るのは、魔法少女たる資質を持つとされる4人である。まどか・さやかが2人で屋上にいて、そこにほむらが来て、マミが遠くから監視しているあのシーンは、「3」をめぐるパワーバランスの綱引きだったといっていい。

 そして、問題の3話。巴マミがあのようなことになる。これで、残るはまどか・さやか・ほむら。これで一応の安定が見えた。……が、あらたな魔法少女の登場だ。佐倉杏子である。これでふたたび「4」になる。この先の展開はといえば、言うまでもないだろう。いきなりさやかと杏子の闘争がはじまったように、必ず1人は排除されるのだ。それが誰かはわからない。ただ、エンディングの過去への疾走構図(左から右へ)など見るに、まどかはおそらく安定するであろう。残りの3人については、ほむらが残る可能性が高そうには思えるが、予断は許さない。鍵となるのは3の倍数である6話に違いあるまい。6話でどうなるかって? こんなふうになるかもしれない。

「どうしようもなく腹のすえかねる人にはたくさん会ったけど、その中でもあれほど――」でもこの文は結局最後まで言えませんでした。というのもまさにそのしゅんかん、森中に「グシャッ」というすさまじい音がとどろきわたったからです。

Through the Looking Glass: Japanese

 ……あれ、なんでいきなり『鏡の国のアリス』方面に行ってるの? なんか、そっちのほうが筋がよさそうだからである。三位一体などといっても、それをほのめかすような表現があったというのか。そんなにキリスト教とそれに相反する悪魔的な要素が大きいか。
 いや、第1話でお母さんが十字架に焼かれたところを見逃してはならない。洗面台の合わせ鏡も悪魔的ではある。この母親は怪しい。また、鏡と言えばその洗面台の三面鏡の表現も見逃せない。三面鏡についてはさやかの自室にも見られる。
 さらに忘れてはいけないのは、一番の異物であるところのキュゥべえにほかならない。まず、名前に注目すべきである。QB? 否、キュゥは数字の「9」を表すと見るべきだ。9は3の平方数である。なんなら、登場人物の名前をみな、ゲマトリアに放り込んでみるがいい。よくわからんのでやりはしないが。ただ、1話のほむらの異様な反応から、大きな意味を持つのは間違いないだろう。そういう意味で佐倉杏子の名は異質なのだが(「きょうこ」という名字は思い描きにくい)。あ、コエムシから話が逸れた、あれの両耳に3つずつ印があるでしょう。あれだよ。左右対称で3と3、鏡像の世界。……自分で書いていてなんだか、まあ、わからんがね。
 というわけで、万事いいかげんな話だ。しかし、こんなふうに妄想するのは楽しいのだ。だからなんだ、まあいいじゃねえか。でも、たとえば、魔法少女が今後4人体制ではいかないのではないか、というあたりはね。でもね、大はずれで、最終的に11人組の戦闘団になってそこらへん飛び回って魔女を殲滅したりしてんならそれも結構。先の見えない、原作無しのアニメというのはそこらへんがいいね。おしまい。

 
 ……ところで、「考察に値するような仕込みがあるの?」みたいな話もあるんだろうけど、たとえば俺はこのエントリの画像の表示横幅を333pxにしてるんだけど、だからなんだって、まあそんくらいの仕掛けはいくらでもあると思うぜ、このクオリティのアニメなら、とかね。
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