本当にいつの世も地獄だぜ

 東京電力が進めていた住宅の「オール電化」に対抗するため、東京ガスの業務委託を受けた会社でガスのPR活動をしていた契約社員派遣社員計344人が、東日本大震災後に雇い止めを通告されていたことが6日、東京ガスなどへの取材で分かった。
 東京ガスは「福島第1原発事故に伴う電力不足が続いており、オール電化に対抗する必要がなくなったと判断、委託を取りやめた」と説明。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110406/biz11040622310042-n1.htm

 なんというか、すげえなあってのが最初の感想だった。たとえば、オール電化を推し進めるPR要員が首を切られるというならさもありなんだが、ライバル側の方が「もはや勝利間違いなし」と人員整理する、その機序というか流れというか。これで切られた人らも、ひょっとしたらオール電化に勝てるのでは? とか思ったかもしれないが、直接我が身がこうなると予感できただろうか。これが資本主義の恐ろしさか……。

狡兎死して走狗烹られる

 って、こんな言葉を残した古い中国の人がいました、韓信です。たぶんその頃の中国は資本主義じゃなかったし、オール電化とガス派が争ったりしてなかったと思う。ソーラー派と合従連衡とか。
 ……って書こうとしたら、あんた、これは范蠡の言葉をひいたものだったという。天勾践を空しゅうする莫れ、時に范蠡無きにしも非ずの范蠡
wikipedia:范蠡

范蠡は文種への手紙の中で「私は『狡兎死して走狗烹られ、高鳥尽きて良弓蔵(かく)る』(狡賢い兎が死ねば猟犬は煮て食われてしまい、飛ぶ鳥がいなくなれば良い弓は仕舞われてしまう)と聞いています[1]。越王の容貌は長頸烏喙(首が長くて口がくちばしのようにとがっている)です。こういう人相の人は苦難を共にできても、歓楽はともにできないのです。どうして貴方は越から逃げ出さないのですか」と述べた。

 へえ、長頸烏喙の人相はそうなの。ロンブローゾに聞いてみたい。
 ……なんの話なのだったっけ。オール殿下? 誰だ? よくわからない。まったく先行きも目の前も真っ暗でいいところだ。暗いと不平を言ってもなんだから、すすんで灯りをともそうとして、ロウソクが売り切れていたとかいうような。国破れて廃炉あり、城春にして高シーベルト、まったくどうなるのかこの世はわからない。こんなの絶対おかしいよ、もう何も恐くない、夢の中でお会いしましょう、さようなら。