今期のアニメは粒ぞろい

 今期のアニメは粒ぞろいの印象がある。とはいえ、ひとつひとつのことを考えるに、粒よばわりがいい表現なのかどうかというのはわからない。わからないが、自分にとっての『けいおん!』、『ストライクウィッチーズ』、『魔法少女まどか☆マギカ』級、まあおおよそは世間の人気どおりと言えるかもしれないが、そんなビッグストーンもメイショウドトウもないといっていいだろう。とはいえ、粒ぞろいの印象というのは相当にプラスであるとあらためて言っておこう。

『あの花咲くあなるの名前を僕達はまだいろは』

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 そんな中のツートップとして挙げたいのが『花咲くいろは』と『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』である。あの日見た広島カープにたとえるならば、町田と浅井のツープラトンといっていい。魏の将軍にたとえるならば、李典と楽進である。このニュアンスで人類の八割には通じると思う。
 さて、そのいずれかを取れと言われるならば、ハナ差くらいで『花咲くいろは』の方が好きである。今のところは、といった方がいいかもしれない。『あの花』の方はどう話が転んでいくかというところがわからぬ。少なくとも、現段階ではというところだ。そういう意味では、ネット上で『あの花』という略称を見るたびに、『花咲くいろは』を思い浮かべてクリックして残念になるのも今のうちかもしれない。
 さて、『いろは』(この略称でいいのか?)のどこがいいのだろうか。よくわからん。よくわからんが、たとえば祖母が主人公を平手打ちしたシーンがあって、あのシーンは大嫌いだ。ひとつに親やそのような立場の人間が子を殴るというのは問答無用に不快だし、ふたつに経営者が従業員を殴るのもホビロンといえる。俺がなにかの理想のようなものを愛するとして、その理想を自由の二文字で表すならば、あの平手打ちこそが俺の嫌う犬、犬そのものといっていい。
 あるいは、主人公と他の二人の関係ができていく過程。これも苦手である。俺は人間関係を忌避することをモットーとして生きているわけであって、ああいう微妙な感じ、新学期の感じはウッとなってしまう。俺は『けいおん!』の一巻をあまり読み返さない人間といっていい。
 と、ここまでマイナスポイントがあって、なぜ兵隊の位で言えば右将軍なのかといえば、やっぱりなんだ、なんかいいんだ。まあ、まず出てくる女の子がかわいいのである。この「かわいい」は見た目だけを指すわけではない。あと、温泉なのがいい、温泉旅館である。そうだ、俺は昼ドラの名作『はるちゃん』が大好きだった。……どういう生活時間で『はるちゃん』を見ていたのだろうか? まあいい、絵がきれいで『はるちゃん』のようであって、またホビロンの子が小見川千明であるところがすばらしいといえる。これで否定に対してそれをくつがえしていないようにもみえるが、俺が好いているのだからそれでいい。
 さて、もう一方はといえば『あの花』。やはりなんらかの生活時間をおくり、昼ドラの『はるちゃん』を見ていた人間として、学校行かない人間を見るのは胃がチクチクするところがないといえば嘘になる。そんなところに、小さいころ亡くなった女の子が現れる。幽霊といえるのかどうか。そう、そのめんまの存在がいい。在ると同時になく、その不安定な存在でもって、画面の中を活発に動き回る。ただし、それを見ているのが主人公とわれわれ視聴者だけだ。このあたりの感じはアニメならではというような気もする。いや、そのような実写もあったろうが、やはり俺は不自然に感じてしまうのではないだろうか、などと。
 また、「あなる」という名前がいい。ノイタミナラジオでも話題になっていたが、子供の頃の無知ゆえの小さな過ち。大きくなってわかってしまうなにか。そのなにかの感じというのは、まさしくこの作品をでっかく包みこむテーマのようにも思える。必見である。

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 『あの花』のエンディングは「シークレットベース」。元の曲なんかもついこないだのような気がしているが、さて、俺はこの曲を完全にBLマインドで聴いていたといっていい。今作では印象が変わるが。
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 『いろは』はオープニングテーマのオープニングが抜群に頭にこびりつく。ゴールデンウィーク、宿にいるあいだずっとリフレインしていたのはおおよそ事実である。

シュタインズ・ゲート

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 今期はじまるまえに一番期待していたのはこれといっていい。どうもSFのようだからだ。俺はSFが好きだからだ。ただ、同時に見たくないという気持ちもあった。原作にあたるゲームを先にやっておくべきではないのか? というところである。アニメ化決定以前に話題になっているのはちらりと知っているが、まったくプレイしていないし、ネタバレにあたるようなものも読んでいないが、どうもゲーム形式だからこそできる仕掛けがあるのではないか、というような予感である。たとえば、『バルドスカイ』でゲームだからこそ表現できたあのSF世界というようななにかである。あるいは、『まどマギ』についてエロゲーを引き合いに出す文脈で語られるループもそれに近いのかどうか、まあ知らないが。
 むろん、このアニメはおもしろいし、先も気になる。とはいえ、ゲームをやっておくべきではなかったのか? という気がどこかでしてしまう。このあたり、『まどマギ』などで言われる「オリジナルはよい」というところかもしらん。
 ちなみに、二回り年長の女がSF読みなので、これを勧めてみた。感想を聞いてみたら、「あのポワポワした子はカバンも持たずに街をうろうろしているのはおかしい」であった。そこにリアルを求めるといろいろとめんどくさいと思うのだが。あと、関係ないが、前期は『フラクタル』を勧めた。

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 で、たとえばアニメを見終えた後にゲームをするのか? というような悩みもある。困る。

Aチャンネル

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 俺が百合好きだから好もしいと言ってしまえばそれまでだが、そこまでのものなのだから、いいものはいいといえる。いろいろと女の子同士が仲良くしているアニメはあるが、たとえばこれがなぜその中でもいい感じなのかというと、説明のしようもないが、まあどうでもよろしい。いきなり歌がはじまるあたりも嫌いじゃない。これまた好きだった『咲-Saki-』のスタッフが作ってるところが関係しているのかというのはわからん。あと、こういうオープニングは好き。なんかこう、いろいろのスタッフに対して愛があるように見える。曲はエンディングが好き。

TIGER & BUNNY

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 これはうかつだった。初回をちらっと見て、「洋アニ? 苦手なんだよな」と思って予約をやめてしまった(洋アニが牛角もねえだろうが)。が、どうもネット上の評判もよく、洋物でもないようなので見直して見直した。普通におもしろい。いや、この「普通に」がなんなのかというとまた説明に困るが、ある種のけれん味の無さというか、正攻法感というか、そのあたりだ。
 とはいえ、あの実在企業の広告の入れ方は好きだな。ああいうのは、なんかおもしろい。あるテレビ局が、他の局にちょっかい出して出てくるのと似たようなおかしさがある。こういうのは子供の頃から好きだったと思う。理由は知らん。

デッドマン・ワンダーランド

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 『交響詩篇エウレカセブン』っぽい感じというか、同じ人たちが手がけているようで、死刑囚ものというか、刑務所というか、そのあたりもなんだし、なかなか見逃せない感じがある。しばらく文章を打っていないで、写真ばかりアップしていたので息切れしてきたといっていい。

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 この曲はたいへんに好もしいのでたぶん買う。

『日常』

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 京アニであって、だいたいメジャー作品に乗っかる俺にとって外せないものだろうとは思っていた。が、あんまりしっくりきていない。アニメが動くのを見ていて楽しいとは思えるが、ギャグがあまりツボに入らない。なんとなく拍子抜けするようなところがある。

神のみぞ知るセカイ

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 これは二期目。前期も見ていて、とくに最終回が好きだった。ああいうところで細かいところに手を抜かないのがいいといえる。
 ところで俺は、自分がハーレム・アニメと称されるものが苦手ということを自覚しているが、『神のみ』については一キャラ使いきりのようであって抵抗がない。原作も知らないのでよくわからなかったが、最初のころは一度落とした子が記憶をなくしつつもいろいろ絡んでくるのかと思っていが、まったくそうでないところもなんというか潔い。まあ、なんかひでえよって気もするが、気にしない。出てくる子はいちいちかわいいが、エルシィが一番よい。
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『C』

 あの異世界でのバトルというものが、いまいちどう金融なのかようわからんところもあるが、なにやらどうもなんらかの癖があって気になる。一回か二回見逃したので、あのスタンドみたいなのがなんなのかよくわかってない。
RPG
 エンディングテーマはたまに昼のFMラジオからもかかる。

電波女と青春男

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 主人公の男の子のモノローグのいかにもライトノベルっぽい? 感じというのはあまり好きではないが、キャラがかわいいのと、エリオがなに言ってんのか本格的にわかんないのとか(綿詰めてしゃべってるらしい)、オープニングとエンディングの曲がいいとか、わりかし好き、嫌い、やっぱり好き、なところでひとつ。
Os-宇宙人
ルル/ときめきハッカー
 これらは買うかもしれん。

総括

 これでも『そふてに』とか日曜夕方のやつとか切ったりもしたが、えらい数ではある。まったくどうしたものかわからない。さらによくわからないことに、今期から『NHK将棋トーナメント』も連ドラ予約しているのであって、人生が足りないといえる。ここから見なくなるもの出てくると思うが、まあ行けるところまで行こう。というか、ともかくなんか文章を打ちたかったというところもある。おしまい。