2011年のおわりに『映画けいおん!』を観るのこと

 お金のことや住居のことで元からろくでもない脳みその中の化学物質の具合が完全に悪くなって通院するまでになって、今までおもしろかったものがあまりおもしろくなくなったりなどということもあって、具体的にいうと録りつづけているアニメが見られなくなってきた、などということもあって。
 それでもさあ年末年始に休みだとなって、引っ越してきたこの部屋を整えるなどという仕事もありながら、やはり『けいおん!』の劇場版を観ておかなければ後悔するというという感じがほのかにして、みなとみらいのブルク13に赴いたのであった。
 正直なところ、予習というか、復習をいっさいしていなかった。二期全部見直す、というわけにはいかなくとも、いくらか観ておく、くらいのことはしておくつもりだったのはずいぶんまえで、なんというか、もうそういう力は残っていなかった。ただ、一番くじで当てたクリスマスっぽい唯のフィギュアと、薬物入れにしている律ちゃんの缶が心の支えになっていたというのはあるというか。

 で、どうだったのというと、いまだにまったく頭の中が薄ぼんやりとロンドン旅行の思い出に浸っているというような塩梅であってよろしくないというか、よろしいというか。たとえば、テレビで流れる中居正広とマッチのH.I.S.のコマーシャルなど見かけるだけで、ポワポワと旅行かばんに詰め込まれる憂の姿など想像してしまうという具合なのである。ようするに、ブランクを感じさせないくらいに俺は『けいおん!』の世界にぶち込まれたわけであって、まったくいい。すごくいい。マジいい。マジ天使。うーん、なんだろ、うまく言えないけど、あれ、ほら、えーと、いや、もう。

 なんつーてもロンドンだし。おれ、ブリットポップ世代だし、スウェード派だし、スウェードっつったら、アメリカではThe London Suedeが正式名称だし、ほら、これよこれ。これで、takingを「タイキン」って発音してんのって、コックニー訛りとかいうやつらしいよ、しらんけど。なに言ってんだろ、まあいいか。

 けど、このPVの感じとか、なんかこう、けいおん!に通じるものあると思わね? ある部分のロゴとか、なんかイメージの使い方とか。わかんねーか、まあいいけど。
 ああ、ええと、ブルク13の比較的狭い劇場だったんですけどね、座席予約で、なんとなく前目の方を取ってみたんだよ、一人だったし。そう、大画面で律ちゃん観られたらいいかとか。で、その結果、なんかこう、よかったって、いや、その、音がね、音がでかくてよくて、こんなん映画館で観てよかったって。ジャック&ベティの爆音映画祭でやるべき。いや、ブルクでもよかった。
 いや、そういうんじゃなくて、話というと、いや、俺、冬に人混みとか、映画とか行くとすぐ喉やられたりするから、マスクしてて、いや、他人のポップコーンの匂いとかしなくていいから、マスクしながら映画観るの好きなんだけど、なんかもう、ずっと口元緩みっぱなしだったし、なんかこう、アニメとか観ててさ、すげえ可愛いというか、悶えるというか、萌える? ときに、なんかバンバン膝叩いたりとか、そういうのしたくなったり、最後はなんか泣きそうだし、ちくしょう、よかったな。
 どこがよかったシーンだとかいうと、えーと、あのフェスの、絶妙にリアルな感じ? とかいうのじゃなくて? えー、うーん、いや、いいんだ、全部だ。しかも、ひょっとしたら、なんかこう、映画が初めて、みたいな人でもいけるんじゃねえかというと言い過ぎかもしんねーけど、そういうような、いいよな、なんかな。
 というわけで、罵りとかだといくらでも書けるのに、なんかまったくいいものに対してなんて言っていいかわかんないレベルでした。ああ、一点なんか気になったといえば、おまえら高校生が卒業旅行であっさりロンドンとかって普通なの? そこはなんかこう、ムギちゃんマジックでなくてよかったの? くらいなもんだけど、まあいいよ、問題ない。まったく問題ない。こんなこと言って悪かった。
 いや、不満というか、不満なんてないですよ、というところだけど、やや話が唯とあずにゃんに焦点が当たってて、律ちゃん隊員としては、少し、物足りなさが、とかいうと、贅沢な。いや、まったく。ほら、もう。そんじゃ、そんなところで。

映画「けいおん!」劇中歌アルバム放課後ティータイム in MOVIE

映画「けいおん!」劇中歌アルバム放課後ティータイム in MOVIE

「律」に学ぶ生き方の智慧 (新潮選書)

「律」に学ぶ生き方の智慧 (新潮選書)

追記☆彡
 せっかく最後に劇場行ったから「2011年映画館で観た映画ベスト10』とかやろうとしたら、9本しか観てなかった。「月に2本は行こう」くらいに思ってて、じっさいそのくらいのつもりでいたが、どこが? という話だった。まあ、年の前半は地震、後半は自身の問題で、それどころじゃなかったか。じゃあベスト3。

 で。