キリンは2009年発売の「フリー」でこの市場を広げてきたが、「ノンアルと分かる売り方をしてきた」。ビールに似ていると、ノンアルを飲んだつもりがビールだったというトラブルを招きかねず、「ノンアルビールそのものが規制されかねない」と訴える。
http://www.asahi.com/business/update/0111/TKY201201110554.html
おれは精神科への通院と、それに伴うきちんとした薬物その他の治療を人生の背水の陣、二〇三高地とおもっている。ゆえに、服用薬とアルコールの組み合わせがアウトというのであればということで、昨年12月よりまったくアルコールを入れていない。無水アルコールで部屋の掃除をしたりはしたが、一滴たりとも口に含んでいない。通院直前のおれの飲酒量は、おれの人生の中でも最大値に近かった。
正直、酒は恋しい。とうぜんアルコールの酩酊が恋しい。そしてまたアルコール世界の広がりにタッチできなくなったことも辛い。アルコール世界の広がりがなにかといえば、ビールでありウイスキーでありワインであり日本酒であり焼酎であり、その他いろいろの酒類があって、さらにその中に赤だの白だの黒だの芋だの麦だのシングルモルトだのシングルカスクだのハイランドだのスペイサイドだのといろいろの製法だの産地だののジャンル分けがあって、その先にいろいろの会社があって、銘柄があって、お前、面白すぎるだろうが。
もちろん、マニアックな高級酒なんてものは手が届かないし、ワインの産地がどうこうなどどうでもいいが、ほとんど最高の酔いに連れて行ってくれるスコッチくらいなら、たくさんの種類から選べたりもする。それが断ち切られた。おもしろくない。そうだ、死ぬことに決めたら買えるだけのスコッチを並べてちびちびやるか。ちびちびかよ。
まあいい、そんな俺に残されたのが「ノンアルコールビール」とかいうろくでもないビールもどきの極北みたいなものだったりする。いや、そんなに馬鹿にできたものではない。やはり、焼きそば食いながらビール飲みたいのだ。どうしようもなく。そうなると、アルコール無しでもいいから、そういうものが欲しくなるのだ。そうだ、おれは酔いがなくとも甘くない炭酸水が好きだ。
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