不動産屋がなりふり構わず敷金を返そうとしない件について

承前:不動産屋がアパートの退居費用で俺を騙して敷金以上の金を巻き上げようとする - 関内関外日記(跡地)

向こうは単刀直入に「いかほどをお望みですか」と来る。「ガイドライン通りに、6年の経年劣化、自然損耗を勘案した上で見積を出してほしい」

https://twitter.com/#!/goldhead/status/151938127748009984

 このやりとりの上で来たのが上にあるような「精算明細書」であった。おれがまったく考えもしていなかった28日解約後の3日分の家賃4,837円の返金(……3日で5,000円近く払っているのだな、などとあらためて思ったが)などあるわりには、「退室立会による借主負担額:58,500円」などという、どこにも算出の根拠もない請求が記されているのであった。そして、ルームクリーニング代の31,500円と足し算してみると、ちょうど敷金の90,000円になって、おれには3日分の家賃だけ返還されることになるという言い分だった。へー、足すとまったく敷金と同じ額になるんだ。すごい偶然。
 ……おれは完全にコケにされているし、バカにされているのだろう。あんな安い部屋に長年住んでるような貧乏人だから、敷金内に収めた上で(もしなにも申し立てなければ、カーペット40,000円+壁クロス45,000円+天井クロス21,000円=106,000円上乗せした請求が来たはず)、さらに4,837円ももらえたら、涙を流して喜ぶと思われているのだろう。普段はなにも言ってこない借主たちから敷金以上の不当な費用を詐取しているから、こんな風にいい加減にあしらってしまえば済むと思っているのだろう。すべての不動産屋がこのようなものだとは言わないが、結局のところこういうものが横行していて、平気で人を騙し、金をむしりとり、不当な富を得ているのだろう。
 ……それとも、あの部屋数がやたら多いアパートも空室だらけになってしまって、数万円でも取り返さなきゃいけないのか? おまえも人殺しの顔してんのか? だとしたところで、知った話か。

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株式会社□□□社 □□□様

 平成24年1月11日付で送付いただいた□□□アパート□□□室についての敷金清算明細について確認しましたところ、了解しうる内容ではありませんので、ここにその理由を記し、敷金の返還を要求いたします。
 私は平成16年1月の契約以来、一度も家賃の滞納や未払い等のトラブルもなく、借主としての義務を果たしてきたと考えております。また、私自身この物件を気に入っており、設備に関する要望等について御社の対応にもたいへん満足しておりましたので、入居を継続することも考えておりました。
 しかしながら、平成24年度の契約更新において、隣室家賃が当部屋家賃より7,000円安く入居者の募集をしている事実を知り、賃料について交渉できないかと問い合わせたところ、幾度もの催促にもかかわらず担当者の不在を理由に一ヶ月も返答をいただけませんでした。結局、これについて仲介業者から交渉についての連絡があったのは、私が御社に退居申し出をした日の夜でありました。
 社会的通念から考えましても、契約者間におけるこのような対応には不信感を抱かざるをえず、今後について御社と契約を更新することについて不安になりました。また、交渉に入れないことにより、契約更新期限内で情報不足のまま早急に退居の決断を迫られるという不利益を被りました。
 平成23年12月28日に行われましたルームチェックについても問題があったと考えております。当日、約束の時刻である13時を過ぎても担当者が姿を見せず、結局45分以上も退居部屋にて待たされることとなりました。私も連帯保証人も当日は勤務日でありました。
 また、確認のために御社に電話にて問い合わせたさいに、当日の立ち会いは××社の方が来られるのか、仲介不動産業者さんの方が来られるのか確認したところ、□□□社の方が来られるとの返事をいただきました。ところが、実際にこられた方が、遅刻の原因を渋滞とおっしゃられたので、御社所在地である東京都□□□区からの道かと尋ねたところ、横浜市内からとの返答です。つい先ほど電話で確認したばかりでもあり、御社の担当者が立ち会われると考えておりましたので、たいへん驚いた次第であります。
 結局、来られた方が自分から名乗られることもなかったため、しかるべくは、まず立会人が誰であり、どんな身分の方なのか尋ねなくてはならないという事態になりました。そこで渡されましたのは名刺でもなく、ポスティングなどで見られるような内装業・便利屋のチラシ一枚です。その上で、御社の代理で立ち会いをしており、契約内容については関与しないとの説明を受けましたが、御社代理人である証拠となるような書類ならびに、資格や身分を証明するものも提示されませんでした。このような状態でルームチェックが行われることに不信を抱いたため、急遽御社に電話で確認を入れた経緯はご存知と思います。
 賃貸物件の退居におきまして、事前の説明もなく契約当事者が立ち会わず、なんら契約内容について察知しないという代理の内装業者が、室内の補修等についての見積だけを算出していくというのは、はなはだ不誠実なことと考えます。これにつきましては、当初より適切な退居精算の計算を行う意思があったのか、疑念を抱かざるをえません。

 以上の事情を踏まえた上で、いただきました明細についての異議を申し立てます。なお、これは平成22年1月23日付の御社との貸室賃貸借契約書にも記載されております国土交通省『原状回復をめぐるガイドライン 再改訂版』ならびに東京都都市整備局『賃貸住宅トラブル防止ガイドライン』を参考にしております。また、□□□様に平成23年12月28日に、電話にて国土国交省ガイドラインに基づく見積もりをしていただくようお願いしています。

▼ルームクリーニング費用 31,500円
 契約書10条4項に記されていますが、契約時に、借主が通常の清掃を実施している場合は貸主負担としている(国土交通省『原状回復をめぐるガイドライン 再改訂版』p.26)ことについて説明を受けておらず、一般的な通念であると考え、特約であるとは認識しておりませんでした。なお、退去時の部屋の状態は、通常清掃を施していたと見なされるものであり、これについては御社代理の立会人もこれを認める発言をしております。しかるに、10条4項の特約につきまして、十分な知識のないままではありますが、契約に至ってしまった経緯もあり、負担を半額とすることを要求いたします。
 31,500円→15,750円

▼退室立会による貸主負担額 58,500円
 これにつきまして、いったいいかなる計算の上で算出されたのかすらまったく記されておらず、到底納得できるものではありません。もし、カーペット、壁クロス、天井クロスの総張り替え費の総額であるとしても、その内訳すら記されておりません。
 なお、カーペット、壁クロス、天井クロスにつきましては、タバコのヤニや釘穴、ネジ穴などもありませんでしたし、汚れにつきましても通常の住まい方をしていく中で損耗していく範囲であったと考えます。さらに国土交通省『原状回復をめぐるガイドライン』(p26)によれば、「畳床・カーペット・クッションフロア」ならびに「壁(クロス)」いずれも6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する、とあり、上記負担額に妥当性を見いだせません。これについて借主である私が負担することは、「原状回復とはいえないグレードアップ」(東京都都市整備局『賃貸住宅トラブル防止ガイドライン』p.8)要素にあたると考えます。つきましては、これについては不当な請求であると考え、応じられません。
 58,500円→0円

 以上により、返済額(敷金+12月家賃返却3日分)-負担額(ルームクリーニング費用半額)=79,087円の返金を求めます。
 振込先は以下です。
 □□□銀行〜

 これに応じられない場合は早急にご連絡ください。御社が日本国の法律と社会的通念に基づき、適切な判断をなされることを期待します。


 平成24年1月13日
 □□□

追記______________________
 本件は現在進行形すぎる上に、上の文章も不動産や法律の専門知識がない人間が下書きしてみたものであって、なにかテンプレートになるようなものとは思えません。ご自分でおやりになる場合はご自分でおやりになるなり、専門家に依頼するなりしてください。

参考文献________________________________

 国交省と東京都のガイドラインは退去時にプリントアウトして持っておくと吉。もっとも、おれの場合はその場での交渉、確認すら行われなかったわけだが。というか、入居前に読んでおくと大吉か? でも、ルームクリーニング特約を入居時の契約段階で持ちだして、「じゃあ他をあたってくれ」って言われたら、「ここまで来て面倒だから、まあいいか」ってなりそう。