さて、帰るか。

 祇園の事故のニュースを知って、やはり我が身を思わざるをえない。俺はたまたま子供を6人轢き殺していないだけ - 関内関外日記(跡地)。事態はこれを書いたころより悪くなっている。「服用後は運転とかするなよ」の薬を何種類も飲むようになったからだ。運転免許は持っているが、持っているだけにすぎない。もし自動車で歩道に突っ込むならば、この件について<censored>な連中を<censored>したい。まあ、病気や障害を持ちながら、一生懸命生きておられる方々を後ろから撃つのはやめておくか。
 ところで、なにかネット上の有益な情報と言えば、ライフハック、己を向上させるパワーアップさせる、そんな話ばかりだ。おれはと言えば、今目指しているのはクロックダウンでありデチューン、弱体化だ。脳味噌の半分くらいいらない、ものを感じるのも、考えるのも半分くらいでいい、そういう思いだ。そんなことも前に書いた(31歳の夢と希望〜俺はもうたいへんに疲れた〜 - 関内関外日記(跡地)が、「服用後は運転とかするなよ」の薬を飲んでいると、上手い具合に事故に遭うとか、ありえもしないロボトミー手術を受けるとかの妄想でなく、わりと脳の調律でどうにかなるんじゃないかと、そんなふうに思えてきたのだ。いや、このごろではもう血圧を下げて動悸を抑えるというような食べ物まで処方されたので、心身の調律とでも言うべきか(もうちょっと素直な投薬もありうるのだろうが、「宅間守とかに共感しちゃうんですよねー」とか言ったら、「こいつにSSRIはやばいか」みたいに判定された)。
 まあそういうわけで、そうとうにポケーッとしている時間が長くなってきた。ただ、まだポケーッ具合が足りないし、圧倒的な不安感から逃れられない。圧倒的にポケーッとしてしまっては、もう食っていけないのは明白なのだが、もう、やはり圧倒的に不安感や極端な怒り、怯え、そんなものに支配されるのは嫌になってしまったのだ。
 それでもまあ、なんだろう、ポケーッとしていたところで、いろいろの仕事を抱えてわやくちゃになって、急に職場に寝転んでしまうとか、カラーボックスに蹴り入れて穴を開けるとか、鉄製ロッカーに頭を打ちつけるとか、意味もなくふらふら歩き回るとか、そういう異常行動をする(こんなのはプリントアウトして医者行く前からだが)のとたいして変わらず、少し時間がかかるようになってしまったが、時間をかければいいだけの話なのだ。
 というわけで、俺は年齢的な老いに加え、ますます心身ともに下げていきたい、ダウンさせたい、そういう方向でいきたいし、どのみち生き延びたところで行きつく先はそこらあたりを歩いていて帰るところのないおっさんやじいさんになるのだし、そうであれば今のうちに徹底的に人格を破壊しなくてはならないし、そのために脳が余計に働くことをやめる感覚を覚え込ませ、薬なしでもそうできるようにしなくてはならない(俺は自分で<censored>した<censored>(合法)で、フラットな怒り方というのはいくらか再現できるようにしている)。そういうタスクを、ポケーッとしながら達成しなくてはならない。わりと面倒だが、この苦しさから逃れるにはそれしか思いつかない。
 ともかく、俺の人格はこの世に適合していないのだから、人格を破壊しておかなければいけない。すばらしい調合のバランスで、なによりも圧倒的に、今までの人生のすべてを塗りつぶしてきた不安から逃れるために。