熱発一つでぜんぶ狂う

 土曜か日曜かから体調を崩して熱発。医者には行ったが、クラビット錠500mgに解熱・鎮痛効果あるのかわからず、効かんので市販薬飲むはめに。これに、喉の咳止め、痰切りの3錠加えて、さらに「お薬手帳」出してもなんの注意もなかったので抗不安剤2種と抗うつ剤1種、血圧降下剤1種(熱出てから2倍飲まないと効かない)に睡眠導入薬1種飲んで、脳も身体もなにがどうなっているのかわからんありさまなのだけれど、今日も出社しているというのは零細企業ゆえのことにして、まあまったくそんなものなのだけれど。代替不可能な人材になりたかったら零細企業に入ることだ。明日は知れないが。
 というわけで、まったく身体とかいうものの不愉快さを感じていると、べつに秋になったからといってキンモクセイやコクチナシの香りなんぞ感じなくてもいいのだから、ジェイムスン型義体かなにかにおさまって、このだるさとは無縁に明晰さだけになれないものかと思ったりもする。なったところで何の価値があるかわからないが、すごく面倒くさいよ、これ。もっとひどい病気や障害の人がいる? なんてのもこの自分が自分の身体というデバイスに感じる不快感とは関係のない話だし(逆に、彼らと比べればマシだ、というのはよりマシな心持ちと言えるのだろうか? わからない)。
 まあ、そういうわけで、この血肉の塊の上に頼りない脳髄のついた生き物は、すべてが面倒くさいので自炊もできず、要するに晩飯はお好み焼きでなく、コンビニの弁当であるとかコンビニの弁当であるとかコンビニの弁当であるとかであって、このままではカネが保たない。かといって、何もする気が起こらない。幸いにして週末? いや、出なくてはならない。おれはせめてスーパーに遠回りして、少し安くなった弁当を買うために、こうして会社に居残っている。
 そういえば、市販の薬と言えば会社に富山の薬売りが置いていくやつを箱ごと頂戴している。薬売りは来るたびに風邪薬や栄養剤の減り具合を見て、「風邪になられた方が?」、「ドリンク減ってますねー」などと、さぞ愉快そうに言う。もっと働いてボロボロになってくれと言わんばかりだ。おれはその態度がわりと好きだ。なぜかわからんがね。