本当にスマートな家電なら買いたいんだ

 「スマート家電」の話をする。スマートフォンと連動するという。よくわからぬが、「洗剤の種類まで覚える洗濯機」らしい。おれは昨年の引っ越し時に安いサンヨーの洗濯機を買ったから、買う買わないという話はないが、ある興味があったのだ。それは、そいつが本当にスマートな(賢い)なのか? ということだ。
 すなわち、おれは21世紀にもなって、いちいち洗濯直前になって洗剤と柔軟剤をちょこちょこと投入することに毎回毎回いらいらしていたのだ。ただ、こいつは最安値級の機能のないやつだ。スマートなら違うかもしれない……。
 そうだ、おれが考えるスマートな洗濯機は、洗剤なり柔軟剤なりを詰替ボトルからドボドボ直接タンクかなんかに全量投入しておいたり、洗濯機から伸びたチューブをボトルにブッ差したりしておいて、あとはスタートボタンを押せば、勝手に必要量だけ洗剤なり柔軟剤なりが流し込まれるというものだ。なんで21世紀にもなって、いちいち洗剤なり柔軟剤なりのキャップに「おっとっと」と宴会で酌をする昭和のサラリーマンみたいなことをしなきゃならんのだ。
 が、結局、パナソニックのスマート家電やらも、「この洗剤でこの洗濯物量ならこれだけ入れて下さい」というスマートな指示が出て、「おっとっと」といいながら洗剤なり柔軟剤なりのキャップにてめえで洗剤なり柔軟剤なりを入れていちいち投入しなければいけないようだ(一応PDFの取扱説明書も読んだ)。
 もちろん、おれは洗濯機のプロではないし、おれの言う「一気に洗剤なり柔軟剤なりを全量投入、洗濯物量に応じて自動投入」がなにかもうとてつもなく、スマートフォンと連携するよりもむつかしい不可能事かもしれない。あるいは、もうそういうものは売られているかもしれないし、かつて売られたけど売れなかった、問題が起きたなどの事情もあるかもしらん。
 まあ、生活者目線とかいうあやふやな思いつきというか愚痴に近い。昼休みの愚痴だ。ただ、21世紀なのに、一番の技術を投入された家電で、まあ少なくともパナソニックの「スマート家電」ではそれが達成されていないことに失望した、という話である。
 ちなみに、見出しについては、「買いたいんだ(※ただし予算内であれば)」が正しい。