- 出版社/メーカー: SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
- 発売日: 2011/12/21
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■こないだ読んだ『二・二六事件獄中手記・遺書』と今年に入ってからの北一輝ブームもあって、一つ映画を観ようと思った次第。
■脚本が『日本暗殺秘録』と『二百三高地』と同じ笠原和夫ならぜひ、というあたりも。あ、おれ、『仁義なき戦い』シリーズ観た記憶が無い。
■して、つい最近上記の書を読んだばかりなので、非常にわかりやすい上に、「この自決未遂のシーンは演出だな」とか、「ここで歌ったのは『青年日本の歌』じゃないはずだけど、やっぱりこれがしっくりくるな」とか、そんなん思ったりね。
■それにしてもオールスターキャストというか、知った顔ばかり出てくる。磯部浅一が竹中直人? とか思ったけど、これがまたいやいやどうして。鶴見辰吾や加藤昌也もかっこいい。
■野中四郎演じる萩原健一の自決シーンは、これはちょっとすごい。
■監修に河野司の名があり、作中では根津甚八が演じているが、要するに上記の本の編者であり、当事者の兄であり、下手なことはしていないという保証になっている感はある。若松孝二の『11.25』に鈴木邦男が監修で入ってる感じ?
■ゆえに、将校たちの妻や家族を思うシーンというのは……ややなにか余計な感じがしないでもないが、やはり外せないところなんだな。あの遺書とか読んじゃうとな。
■つーか、2.26事件知らない人が見てどう思うかはわからん。おれはあるていどわかっていたので、ある程度「こういう感じか」という感じだったのだけれども。
■ビラまきと包囲に豆戦車が出てくるんだが、なんというか戦車の威圧感がない。九二式重装甲車というやつを重機を改造して再現したらしいが、再現度がよくないのか、それとも再現率が高すぎたのか。なんかこう、のっぽで頼りないというか、機関銃でどうにかなりそうというか、火炎瓶でどうにかなりそうというか。いや、都市で歩兵相手には十二分なのだろうけれども……。ちなみに、車種を検索していたら、詳しい考察がこちらに。
→ひとり言 32
■ラストシーンは『日本暗殺秘録』の方が壮絶だったかな。ちなみに、やっぱり北一輝については名前が出るくらいのことで、そのあたりもそういうものだろうし、だいたい事件との関わりがな。でも、「北、西田は今度の事件には関係ないんだよね、然し殺すんだ、死刑は規定の方針だから已むを得ない」ってことだろう。
■北と将校との国体論、天皇論の温度差があるならば、将校と兵との間はどうか。将校は、兵の家族らが、娘を売らねばならぬ惨状、権門上に傲れども国を憂うる誠なし、財閥富を誇れども社稷を思う心なし、これを思ってやった。しかし、兵自身に、自分は生きて帰って家業を継がねばならんのです、と言われたときどうする。そして、そのときの兵と北との距離は、などとも。
■まあ、そんなところで。ところで、今もしもオールスターキャストで2.26やるとしたら……などと想像したりもするのだが、それ以前にオールスターで2.26はねえか、というところか。
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