『仁義なき戦い』と『仁義なき戦い 広島死闘篇』を観る

仁義なき戦い Blu-ray BOX (初回生産限定)

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 「いつかみよう」だの「いつかやろう」だのということは、こっちから行動しないかぎり「いつか」は来ないものなのだ。おれがまだ10歳なら時間もまだまだあるといっていいかもしれないが(まあ精神年齢は10歳くらいだろうが)、30歳も過ぎてずいぶん経つと、今日明日死ななくても、明後日明々後日には冷たくなってる可能性がある。……というわけで、『仁義なき戦い』シリーズについての「いつか」を迎えることにした。これで、はてなブックマークで『仁義なき戦い』を引き合いに出したコメントがさらにものすごく有益なものになるに違いない。
 で、結論からいうと、しびれたね。すげえ。これはおもしろい。すげえ。いや、もうそんな評価がアホみたいに高く高く積み上げられ、中身についても深く深く掘り下げられてるもんだから、べつにおれがいうことは何もねえだろうし、語れる言葉も持ち合わせがねえよって。
 ただ、まあ個人的に言うなれば、舞台が広島であり、交わされる言葉が広島弁だということだ。おれ自身は札幌生まれ、鎌倉育ち、横浜在住、どこにも広島と接点はない。広島に行ったこともない。ただ、おれの父親は広島育ちなのだ。だからおれは物心ついたときからのカープファンであって、広島は幻の故郷なのだと、勝手に思っている。自分の中でわりとナチュラルに反米意識があるのも、原爆の間接的な影響といっていい。
 とはいえ、父が常日頃広島弁を使っていたわけではない。彼自身、高校からは親元を離れて大阪へ行き、どこで浪人したか知らないが一年浪人して早稲田に入った。その後、東京の雑誌記者、出版社(宝島が昔ぎょうせいみたいな仕事やってたのってどのくらい知られているのだろうか)を経て……というわけで、おそらくは中学までの広島生活。だから、せいぜい一人称がナチュラルに「わし」というくらいのものだった。ただ、悪い酒で発狂したみたいになると、それはもうベラベラと広島弁の罵詈雑言が流れ出してきて、まああまりいい思い出ではない。だけれども、おれが勝手に広島弁を幻の母国語のように思っているのも確かだ。
 まあ、そんな話はどうでもいいか。ともかく、ここまで面白いもんかという驚きと、梶芽衣子の美しさとにやられてしまって、早く続きを! というのと、いずれ見返したくなりそうという思いと、「競輪場、競艇場の雰囲気ほとんど今と変わらないんじゃねえのか?」という思いと、しかしあの千葉真一はすごいな、とか、まあいろいろあっておしまい。

>゜))彡>゜))彡

……ここのところ脚本家・笠原和夫を追ってきた、という流れもあるわ。