- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
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■渡辺京二は大日本帝国を高官と上流層と下層民の三つで把握すべきだと言ってたような気がするが、この映画でいえば「皇族関係」と高官と下層民の三つをクローズアップしているといえようか。しかし、「陛下は前線に行かないのかしら」、「陛下のお言葉で戦争が終わるなら、なぜもっと早く……」。「大元帥陛下が必ず助けに来てくださる!」みたいな台詞とか、ようぶちかましたもんだ。篠田三郎の「お先に」もそうだろう。
■『二百三高地』で陛下と乃木大将のラストシーン。まわりにはずらりと元老たち。一方、東条英機と昭和天皇では、わずかに侍従長一人という対比。なにか、明治国家が元老の人間関係でやって、システム化できなかった結果が東条一人にのしかかる、というような構図を思い浮かべたりはしたが。ファシズムにも成りきれぬファシズム。
■そういう意味で、この映画の東条の描かれ方はどうだろうか。わりと賛否両論というか、賛の部分が描かれているようにも見える。
■著書で「頭蓋骨でフットボールしてたのだって、きちんと取材してるんだ」みたいなことを書いていたが、反米精神にも満ち溢れていてすばらしい。いや、すばらしいかどうかしらんが、そうじゃなきゃ嘘だろって気はする。
■しかし、いかにもという大作だ。ゲリラ映画部隊のような若松映画を観た直後だっただけにそう思う。
■夏目雅子、というより、関根恵子がおりゃあ好きだなあ。いや、この役の強さがね。警官相手の立ち回りに、ラストと、よかったな。
■あとは佐藤允とか、年長の兵隊ってなるといいなあとか、いや、あんまりそのあたりの映画観てないのだけれども。
■そんで、次は『零戦燃ゆ』かな、と。
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