夏のお好み焼き、セロリーとしょうが

 薄力粉と強力粉の割合、そこに米粉も使う場合もある。5:5、6:4、できばえに差があるのか? 知った話か。鶏卵のサイズは大中小混在。出汁としてなにかを入れるのは金の無駄。そしてセロリー。青臭いセロリー。味気のない葉まで使う。金持ちはウサギの餌にでもしてしまえ。輪切りのようにする。縦に切る、その日の気分でさばく。キャベツは補うのに使う。必須なのはしょうが。これを多めに入れる。セロリーとしょうが、これで気分はアジアらしくなる。アジアの夏らしくなる。これにニンニク、香菜、ナンプラーオイスターソースで一つ。しかし、おれはお好み焼きを焼く。無駄な金はない。山芋をする。かき混ぜる。マーブル加工フライパンにオイルを一滴、二滴、温まったところで流し込む。薄っぺらい肉を何切れか。あらびき胡椒をこれでもかとかける。そしてボウルと菜箸、まな板を洗う。洗い終えて、ひっくり返す。夏は飛び跳ねてきたなにかで腕にダメージ、たまに。しばらく放っておく。使う肉にもよる。ずらしたりひっくり返したりして、キッチンペーパーで無駄な油を拭き取る。味の素のマヨネーズとオタフクのお好みソースをかける。ブルドックのものをスーパーで取り扱わなくなったからだ。アマゾンでブルドックの業務用を買ったが、小分けのものとはずいぶん味が違って困惑した。あおさ、かつお節、あるいは梅の欠片など入ったちりめんじゃこ。フライパンからズルズルとメラミンの皿に移す。メラミンは割れない。テレビの前のちゃぶ台に持って行って食う。作るのに15〜20分。食うのに5分〜10分。おれの耳にはイヤホン経由でアニメの、声優のラジオが流れている。いつか死ぬ、あるいは自殺するのに、おれはなにをしているのだろうと、ふと思う日もある。