『Free!』の最終回は眼鏡にひどいことしたよね?

Free! 岩鳶ちゃんのもふもふスマホケース

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 眼鏡に、というより作品全体にか。
 『Free!』。水泳部の男子たちがキャッキャウフフするアニメ。さまざまなカップリングの可能線が引かれる。そこに惹かれる、かどうかはともかく(おれは男女がキャッキャするより同性同士の方がよいようだが)。
 小学生の頃の水泳チーム。高校で再開。陸上部から眼鏡をスカウト。かつての仲間の一人は、中学からオーストラリアに水泳留学。近くの水泳強豪校に帰ってくる。いろいろあって、全国大会を目指す地区大会へ。いろいろあって、新入りの眼鏡がメドレーリレーのメンバーをかつての仲間に譲る。他校の生徒。替え玉。むろん、替え玉で勝って先に進もうというわけではない。理由は青春ストーリー、だが。
 一つに、部活スポーツものとして、それでいいのかという疑問。せいぜいいくつかの高校が集まっての非公式合同練習大会くらいでやるべきことじゃないのか。ことさらモラルだの言うのもつまらないが、あまりに軽々しいのもどうか。地方の珍事として全国放送のワイドショーで視聴者撮影の映像付きで紹介されそうな話。部活動停止、下手すれば部解散。顧問が怒られて終わるものだろうか。大会管理運営の不祥事とも。せめて、すぐさま大会役員へ選手一同が謝るような描写があっても。他校選手へも失礼やもしれぬ。
 ただ、この一つ目は些細といえなくもない。問題は泳げなかった眼鏡だ。筋書きの問題。替え玉自体は眼鏡の意志で言い出したこと。とはいえ、それまで11回のうちの3回目以降で描いてきた眼鏡が新しい仲間になっていく経過というものはどうなるのか。そこがどうも腑に落ちぬ。ただの当て馬だったのか。そうではないのだ、という描写はなされているのかもしれぬ。しれぬが、どうも腑に落ちぬ。新しいメンバーによるリレーを見て、かつての仲間が目を覚ます、でもよかったではないか。さもなければ、ひっかけエンディングのごとく、途中なにかあったあと転校してきたことにしてしまってもよかったではないか。かつての仲間と主人公の和解が描きたい、というのなら他にはなかったのか。なにが最良かはわからぬ。わからぬが、どうも放送された最終回には納得がいかぬ。カタルシスが感じられぬ。
 納得いかぬといったところで、どうにかなるわけでもない。どうにかしようというほどの気もないが。意表を突かれたといえば突かれた。最終回途中で「まさかそうはせんだろう」と思いつつ、そうなってしまった。あまりよろこべない意外性。毎回のエンディングは曲と映像好きだったが、作品のエンディングでどうも変なことになった。それだけのことだが。