『ヤンキー進化論』を読んだ

ヤンキー進化論 (光文社新書)

ヤンキー進化論 (光文社新書)

 副題に「ヤンキー文化はなぜ強い」とあるが、なぜかというところに切り込んで「これでござい」って感じじゃあなかった。あるいは、ダーウィニズムを援用してその強さを説明してるという印象もなかった。ひたすら、映像、漫画、文献にあたってヤンキー文化の移り変わりを説目しているだけ、というような。「だけ」といっても、まあそれなりの量ではあるのだけれども。
 まあなんだかんだいっても、なんか著者が自らを【「ヤンキー嫌い」嫌い】と規定して、自分の大学でもヤンキー風の学生の方が就職で強いとか言っても、なーんかヤンキー的なものとの距離感があんだよな、というか。で、そういうと高卒・金髪・ピアス三つ・ジャージ好きのおれも【「ヤンキー嫌い」嫌い】程度でそういうふうにしているくらいで、早婚ともバイクとも車とも無縁で、図書館で借りた本を部屋で読んでるのがいいですというわけで、同族嫌悪って、嫌悪ほどじゃないけど、まあまた距離感があるような、ないような。イギリスの労働者階級を描いた『トレスポ』とか『リトルダンサー』とかおれも好きだしさ。
 でもってまあ、なんだ、新書一冊読んで、「ヤンキーの語源は語尾の‘やんけ’からの転訛でなく、やっぱりアメリカのヤンキーだったか」と、その一個でも持って帰ります。おしまい。

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ヤンキー文化論序説

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社会学ウシジマくん

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……いや、べつにヤンキーブームがおれのなかできてたわけじゃねえんだけど。なんでだろ。まあいいや。