野毛テリトリーに初詣に行く。毎年、成田山横浜別院から伊勢山皇大神宮へのルートを通るが、周辺工事のために紅葉坂経由で向かう。伊勢山皇大神宮にとってはこちらが正門のようだった。復活はないと言っている。
この肉の塊も生きた牛に戻ることはないのだ。復活はないと言っている。
二礼二拍手一礼。なにも願わない手を合わせる。復活はないと言っている。
混雑人、群れに鳥居の鳥はなに思う。復活はないと言っている。
ポテトにウイルスが迫っている。復活はないと言っている。
クソの世界かファックの世界か。いずれにせよ、復活はないと言っている。
そもそもおれは生き生きとしたことがない。復活はないと言っている。
新年二日、シャッターの降りた店のなかに「貸店舗」の空き家がよく目立つ。復活はないと言っている。
何かの力が働いたのか、光音座の表通りに向けたポスターが自重されてしばらく経つ。復活はないと言っている。
デコられたビルの壁面ほどの光すら放ったことはない。復活はないと言っている。
破壊された自転車の街に住む、あるいはその路上に。復活はないと言っている。
通行止めで成田山へはどういっていいかわからなかった。埋め合わせでもあるまい、偶然通りかかった神社を詣でる。復活はないと言っている。
昭和生まれの人間にもうワンチャンスという年代でもなくなった。復活はないと言っている。
チャンスなどそもそもどこにもなかった。あったとしても気づかなかった。気づかないふりをした。復活はないと言っている。
流れ流され行き着く先は暗渠。復活はないと言っている。
人生の夕まぐれにスッと消え入るすべ知りたし。復活はないと言っている。
「気運は上昇。足元がしっかり安定しています。新しいことならたいてい成功。」復活はないと言っている。