おれたちのロスト・ジェネレーションははじまったばかりだぜ

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ぼっちは経済的

このリンク先を読んで……直接的ではないけれど……思ったこと。これから三十代中盤、四十代……年相応の年の取り方をしてこられなかった人間、その日暮らしに追われて余裕のなかった人間、そういう連中……そんなのがたくさんいて。そう、一種のコードが抜けちまってるやつら。社交のコードが抜けちまって……人付き合い、人脈作り、冠婚葬祭、手土産、ドレスコード……そんなものを知らない、そういうやつらが群れをなして……。

主語が大きい……おれのことだ。このおれはさっぱり年相応の知識も社交性も……社交性については幼稚園に入った瞬間に絶望していたが……ともかく、なにか大切そうなことをすっかりロストしちまってるんだ。部活もなにもしてこなかった……上下関係も横のつながりもなにも知ったこっちゃない。成人しようが大学からドロップアウトしてニートになって南関競馬に通ってた……おれが低能未熟大学に通ったのと、南関競馬に通った日数はどちらが多いのだろうか……気づいてたら働いていたが、これというスキルを身につけるでもなく……よきメンターに会うこともなく……小手先でしのぐ日々、孤高をしのぐ日々……。

明日にもこの働き場はなくなる……。双極性障害の、履歴書ひとつ書いたことのない……すっかり社会から切れてしまっている……髪の黄色い、片耳にピアス三つ付けた……中年が行き場もなく、野に放り出される。おれにはなにも武器がない……今のうちにAmazon金属バットを買っておくべきか……。

大きな主語よ、もしも存在するならおまえらはどうなんだ? どうしている? もっと前からおれの行く先を歩んでいたのか? それとも人生からとうの昔に降りてしまったのか……入る墓があれば結構なことだ……。もし存在するならおれたちよ、家庭も持たず、残すべき血もなく、頼るべき親も親類もないおれたちよ……おれは一人で新幹線に乗ったこともなければ、飛行機に乗ったこともない……。十代や二十代で経験しておくべきことがすっかりロストしちまってんだ……。しかしこれからも新幹線に乗ることもなければ、飛行機に乗ることもないだろう……金と暇がないからだ。

金と暇がないから……人脈もできないのか、リア充にはなれないのか……。もともとそういう性質の人間だから、金と暇もないような暮らしを強いられているんだ、ということなのか……。おれにはコミュニケーションもなければ手にこれといった職もない。世界はいろいろのコードにあふれているが、おれはそれに触れる機会もなかったし……これからもないだろう。不安と心配だけがおれにかまい、骨の髄から凍えるような毎日……一日経つごとに海の底に近づいていく、着実に着実に……。残された思慮はいかにして自分を店じまいするかということだけ……シャッターのおろし方は……カメラで写真を撮るより簡単なのか? もしも存在するなら大きな主語たちよ、そして確実に存在するそうでない者たちよ……せいぜいおれが静かに消えていくことを願っておくべきだ……。