ほんのささいなあやまちに

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仕事でミスをした。金額的におれの昼食一ヶ月分くらいのミスだ。おれは昼と夜しかものを食べていないので、一ヶ月の半分の飯代が吹き飛んだといえる。ちなみにおれの昼食はおおよそ300円だ。おれはそういう金銭的な射程で生きている。生きているといえるのかな?

マイナス思考はマイナスを呼ぶ。次々に呼ぶ。逆がどうなのかは知らない。逆の話が世間の人々にうけることは知っているが、本当かどうかは知らない。ただ、マイナスはマイナスを呼ぶ。掛け合わさってプラスになったりしない。負債は貯まる一方。重荷は増える一方。体は萎えていく。脳は働かなくなる。そのうち身動き取れなくなって死ぬ。

なにかの間違いのようにこの世に生まれてきてしまって、何もしないどころか負債ばかり作って死んでいくのかな。憎悪や嫌悪感に満ちあふれている世界、おれもそれに加担して、憎悪や嫌悪感をふりまいて、積み重ねていく一方だ。

世間の人にとってはどうなのかな。道を歩いていても、どうもそういった負のオーラを振りまいている人は多くない。寿町の方から流れてくる人にはたまにオーラを感じるのだけれど、彼らは彼らで居場所があり、きまった収入もあるのだろう。おれがその枠に割り込めるようにも思えない。穴が空いてすとんと落ちて死ぬだけかな。いずれにせよ、世の中の人はきちんと与えられた仕事があり、それを全うし、きちんとした報酬を得て、人生を計画して生きているように見える。ネットで、それもはてなの界隈など見ると、さらに高いレベルの人生を送っていそうな人ばかりで、おれのような落伍者はまず見かけられない。なんでおれはそんなところにいるんだろう。ちょっと不思議じゃないか。

それでも、死ぬまでにうまいウナギを食いたいとか、うまいウニを食いたいとか、そんなことを考えることもある。けどおれは、それが昼食何食分かって換算して、結局食わないんだろうな。結局、食えないんだ。

悪い方、悪い方へとおれを追いやるなにかがあって、おれはそれに抗することもなく、尖ってて刺さったら痛い円錐形のなにかがたくさんあったりする方に行くばかりだ。雨脚が強くなれば靴下まで濡れちまう。自分の墓穴を掘ろうにもスコップを持っていない。ホームセンターで買うべきかな?

しかしこの世は、勝手に穴を掘って埋まってはいけないのだろう。変わった自殺だとか、雪歩のファンによる愛の行為だとか言われて、掘り返されて、焼かれて、骨になって、どこのだれかわからない人たちと混じることになるのかな。その、どこのだれかわからない人たちのなかに、美しい女性や話していて感じのいい人があまりいないような気がするんだけれど、偏見かな。真ファンが一緒なら、100年くらいは暇が潰せそうなのだけれど、いったい遺骨だの遺灰だのはどこから声をだすんだろう。そもそも耳もないのに。

一歩一歩が死に向かっている感じがする。もうそういう年齢になったということだろう。不安は日に日に増していくし、薬なしではやっていけない。酒なしではやっていけない。度数の高いアルコールなしではやっていけない。おれの呪詛もこんなところで吐き出していないで、穴を掘って吹き込むべきなのかな。その前に、スコップを買う必要があるんだった。おれはスコップを持っていなかった。やっぱり、ホームセンターで買うべきかな?