第150回天皇賞・秋の感想

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天皇賞・秋、である。G1級のメンツが揃ったレースではある。ではあるが、休み明けの馬が多い。JC、有馬と続く連戦を見据えての傾向か、各馬それぞれの事情かわからぬ。わからぬが、そういうことになってしまった。

おれがもとより注目していたんはカレンブラックヒルである。オールカマーでも本命にした。おれはこういう感じの逃げ~先行馬を好む。カネツクロス以来の好みである。距離が長いかと思えたオールカマーでも見せ場を作った。今回は同型もいないし、外よりの枠よりすんなり行けるんじゃあないか。そして行ききれるんじゃないか。そんなふうに思った。オールカマー経由がどうこうも、休み明けよりいいんじゃないのか。調教もよいように伝えられている。人気のわりにいいんじゃいのか、そう思った。

もう一頭気になったのがフェノーメノである。清水成駿曰く「憂国の士」。たしかにそういう話は見たような気がする。インタビューに映るジャンパーには日の丸が貼ってある。肩にはフェノーメノのぬいぐるみを載せているあたりも只者ではない。それが天皇賞を蔑ろにするわけがない、と。菊花賞をズバリ的中させた東スポの虎石も調教を「完璧ではないか」と評している。すごい説得力。カレンブラックヒルよりは王道という気はする。本命よりの安心できる馬券という感がある。

おれはこの二頭で迷った。迷ってフェノーメノ中心の馬券を買った。カレンブラックヒルを買わないでもないし、わりと追いかけているラブイズブーシェの単複を買わないでもないが、一応の本命、もしも印をつけるなら◎フェノーメノ、○カレンブラックヒルという具合である。

が、どう馬券を組み立てるかという問題が残る。結果的に買い散らかした。買い散らかしたなかに三連複五頭ボックスがあった。おれはこの買い方を好む。その五頭とは、当然ながらのカレンブラックヒルフェノーメノ、人気に日和ってのジェンティルドンナイスラボニータ。さてあと一頭。人気から行けばエピファネイアあたりだろうが、なぜかおれはエピファネイアを買い散らかした馬券の中にも入れていない。どうもわからないが、これはないと思った。

してどうするか。残りのメンツ、穴馬っぽいところで目移りする。ふとそこで、たまたま買った「アサヒ芸能」の亀谷敬正のコラムを思い出した。スピルバーグとか言ってなかったか。亀谷敬正といえば、一時期有料サイトの会員になっていたくらい、なにかしらいいアドバイスをくれる予想家である。根拠は読んでないのでしらないが、スピルバーグ東スポの渡辺薫も本命にしているし、最後の一頭はこれにした。

……というわけで、三連複をひっかけた。カレンブラックヒルはわりとスローな逃げから見せ場を作ったし、一瞬夢を見た。フェノーメノは伸びてくるかと思ったら来なかった。結果、これという思いもなく日和って入れた人気の二頭と、なんとなく入ってきたスピルバーグで決まった。配当は思っていたより悪くなかったし、何より馬券が無になるよりまったくもって十分マシな結末になったわけだが。まあ、なにか釈然としないというとおかしいが、そういう気持ちになることだってあるって、いくらか競馬をやった奴にはわかるんじゃあないかと思う。そういうレースもあるってさ。