雪も降ったし『スノーピアサー』を観に行ったが……


 先日買った「映画秘宝」誌に作品紹介、監督インタビューが載っていて気になった一作。ポン・ジュノ監督の過去作品観てからかな、と思ったけど、「映画に行こう」ということになったので、こいつをチョイス。ほかの候補は『陸軍登戸研究所』と『ラッシュ』だったが、前者は「興味はあるけどべつに映画館で見なくても」、後者は「F1とかぐるぐる周ってるだけでつまんない」という同行者の価値観により却下された。
 『スノーピアサー』の設定はかなりぶっ飛んでる。フランスのコミックが原作らしいが(当然未読だが)、これが「月の裏からナチスが」くらいのもの。なんでも、地球温暖化対策として化学物質を放ってみたら大失敗、地球は氷河期、生物全滅。わずかに生き残った人類は走り続ける豪華電車の中のみに。その電車の中は、先頭車両に貴族階級、最後方車両によくわからないプロテインブロックを食わされて生かされている底辺民という構成。ここで、不満を持った下層民が叛乱を起こし、先頭車両目指して……と。
 こういうバカ設定(褒め言葉)嫌いじゃない。『トータル・リコール』(2012)の地球をぶちぬく通勤列車というのも嫌いじゃない。これに、韓国映画らしい生々しいバイオレンス、ようするに『哀しき獣』のミョン社長みたいのが出てきて手斧と骨で戦ってくれたら超絶おもしれえじゃん! みたいに思ったわけ。
 というわけで、けっこうな期待を抱いていたのだけれど……。うーん。『トータル・リコール』(2012)くらい? というか、劇場の室温がかなり高かった(まあ、外はくっそ寒かったけど)せいもあってか、後半ウトウトしたりもして……。
 いや、ところどころの見どころはあったというか、寿司のシーン、ハッピーニューイヤーのシーン、列車がU字になったところの撃ち合い、教室のディストピア、悪くなかったのやけれども。それに、主要人物もバンバンいなくなっていくあたりも悪くないんだけど。個々のテイストは嫌いじゃないが……なんかテンポがわるいというか、間延びしているというか、勢いがたりないというか、設定の無茶苦茶さをねじ伏せるパワーが欠けていたというか。なんだろね、なんか中途半端思うたんよ。うまく、説明できんのだけど。制作事情とかよく知らんけど、もっと低予算でアイディアのみでぶっ放したほうがすごかったかもしらんとか、よくわからん想像したり、と。
 と、いうわけで、わりと高めの期待からすると、けっこういまいち、B級SFとしてそう期待しないで見たら……うーん、やはり代金を数百円値切りたい、かな、くらいか。どんなもんでしょうかね。ちなみに、ブルク13のあまり大きくないスクリーンで見たが、客層がジャック&ベティみたい(平均年齢やや高めの渋めな映画通っぽい人多め?)だった。客席はわりと埋まっていた。映画と関係ない話だけど、なんとなくそう感じたんで、そんだけのこと。

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