坂本慎太郎『ナマで踊ろう』を買う

01. 未来の子守唄 (Future Lullaby)
02. スーパーカルト誕生 (Birth of The Super Cult)
03. めちゃくちゃ悪い男 (Extremely Bad Man)
04. ナマで踊ろう (Let's Dance Raw)
05. 義務のように (Like An Obligation)
06. もうやめた (Gently Disappear)
07. あなたもロボットになれる (You Can Be A Robot, Too)
08. やめられないなぜか (Why Can't I Stop?)
09. 好きではないけど懐かしい (Never Liked You, But Still Nostalgic)
10. この世はもっと素敵なはず (This World Should Be More Wonderful)

 坂本慎太郎のニューアルバムを買った。発売日に買った。繰り返し聴いている……とは言いがたい。おれはいま心の8割くらいがアイマスに取られているからだ。アイマスはなにかほかの音楽を聴きながらできるようなゲームではないんだ……。
 それでも数回は繰り返して聴いた。今も聴いている。おれのような世代の者だと、やはり発売日にCDアルバムを買うというのは特別の事のように思える。CDを発売するような現代のミュージシャンの、その一番新しいところを押さえている、という気になるからだ。
 とはいえ、坂本慎太郎の音がレペゼン2014年という雰囲気かというと違うに決まっているわけで。いや、一周回ってこれこそ「新しい!」のだと言えるのかもしれないが、まあそんな新しさ競走とはべつのところにいて……。
 おれが、ゆらゆら帝国が好きだったこと、書いたことあったろうか。よくわからない。たまたま何かで「ミーのカー」を聴いて、すっかりはまってしまって……。いつの時代だか、どこの国なのか、うそのアフリカなのか知らないが……なにか懐かしい感じもあるが……音はとても新鮮で、「ズックにロック」を聴けばテンションも、妙な方へ上がっていくような。そしておれは一度もナマでゆらゆら帝国を観ることはなかった。CDもすべてではないが買った。
 昔話はどうでもいい……『ナマで踊ろう』だ。ゆらゆら帝国坂本慎太郎も知らないあなた、ただ、ずらりと並んだ曲名でなにかいい感じだと思ったら、買って損はしないだろう……たぶん。

「人類が滅亡した地上で、ハトヤのCMがただ流れている、みたいなイメージ」

坂本慎太郎はなぜ“人類滅亡後の音楽”を構想したか「全体主義的なものに対する抵抗がある」 - Real Sound|リアルサウンド

 そして、こんなインタビューを読んで……。なるほど……。

昔の常磐ハワイアンセンターとか、ハトヤ温泉とか、ファミリーランドみたいな遊園地でもいいんですけど、そういう人工的な楽園みたいなものを作ろうと思った人達…その人達はもう死んじゃってるんだけど、その人たちの意志や志みたいなものだけが、まだふわふわとこのへんに漂っているような、そんなイメージなんです。

 たしかに……。それでいて、歌詞がふわふわしているかというと、これがわりと直裁的で、どこかわからないところ、あるいは未来から今のこの日本を照射しているようでもあるし、それを聴いていてそれを意識せざるを得ないもので。それでいて……、まあ、まったく上のインタビューの前後編のようなことなのだなあと思ったりもする。この虚構、存在しないどこかからポーンと放られてきて、それがユートピアなのかディストピアなのか……ある意味、正体不明のままのほうが面白いというか、閉じられていた方がいいというか……実際、なにかが閉じ込められているようなアルバムで……。実はソロの一作目を買っていなくて……ゆらゆら帝国も含めて漁っていこうかと……思えないあたりにこの作品もあるようであって。なんとも言えねえなあ。気に入ったけど、なんとも言えねえ。本当に、そういう……。

ナマで踊ろう

ナマで踊ろう

……Amazonで買おうとしたら高くなってたので楽天で買った。新譜を扱うCDショップ?……ずいぶん行ってない。