やはりメキシコ代表の勝利に喜ぶおれはなんなのか?

今週のお題「サッカー」
 おれはさしてサッカーに興味が無い。地上波で日本代表の試合を放送していれば、ビール片手にテレビで観ますよ、というくらいのものだ。Jリーグをはじめとした世界中のリーグのどのチームにも興味はないし、そもそもサッカーの見方というものがわからない。Jリーグが始まったときには十分に物心ついていたけれども、あるいは物心ついていたせいか、どうにもわからないまま生きてきた。そしてそれは別にそれでいいんじゃねえかと思ってきた。優雅で感傷的な日本野球と競馬、二つくらいそれなりに知ったつもりになれていれば、それでいいんじゃねえかと。
 そんなおれなのだけれど、なぜかサッカーメキシコ代表の試合には惹かれる。

 見る機会なんてそんなにありゃあしないのだけれど、いつ観ても面白いと思う。どの選手がとくに好きというわけでもないし、べつにメキシコを旅したことがあるというわけでもない。ただ純粋に、メキシコのやるサッカーが面白い。網目のように存在するであろうパスのコースを丹念に、そして素早く選び取り、スパスパっとつないでいく。決して体躯に恵まれていない分を、それでカバーして、連携して皆でゴールに向かっていく。もちろんワールドクラスの選手もいるが、スター軍団というわけでもないだろう。なんというか、全体的に好きなのだ。ファンといってもいい。

 2014年ワールドカップ、メキシコの初戦である対カメルーンも中継を生で見た。身体能力に勝る相手に対して、自分たちのサッカーを崩さず、不運なジャッジにも遭いながら、なんとか一点もぎとって勝利してみせた。カメルーンにはチーム内紛のようなものがあったりしたが、大雨でパススピードが鈍るので五分五分だ(そうだろうか?)。躍動するドス・サントス。チームを巧みに操ってるらしいラファエル・マルケス。かっこいい。試合を見たおれはすっかり満足して眠りについた。おれはスペインにもオランダにも興味はないんだ、まったく。ついでに言えば、いくらか贔屓にしているアルゼンチンはテベスがいてこそであって、今大会はまったく興味がなくなった。
 というわけで、おれは今大会、日本とメキシコの二本立て応援という形で観ることになるだろう。まあ、凄まじく深い時間だとか、仕事の時間と重なったりしても観る! ということはありゃあしないが、それでいく。行ける先がどこまでかは知らん。知らんが、どちらもいなくなった時点でまったく興味を失うだろうことは予想している。そんなところだ。