金田

【ありがとう八十年(43)】金田正一、徹底的に自己管理をして記録にこだわれ!! (1/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM(サンスポ)

今の選手には、記録にこだわれと言いたい。いくらテレビに出て有名になっても、死んでしまったら比べられるのは記録だけだ。これは永久に残る。

 おれのような野球ファン……現地観戦どころかテレビ観戦もろくにせず、選手名鑑を眺めるのが主戦場のような人間にとって、金田正一のこの発言にはぐっとくるところがある。「死んでしまったら比べられるのは記録だけだ」。記録。そう、記録こそが、まずあるのだ。だから、金田が昭和名球会をどうしようと構わないし、張本勲がどんな暴言をテレビで吐こうが構わんのだ。400勝。3085安打。逆らうことのできぬ記録。現役時代は160キロ出てた、200キロ出てた、そんな放言はどうだっていい、ともかく400勝した。こいつはすごい。すごすぎる。おれは金田がカネやんダンスを踊ってるのを直接知ってる世代でもないが、ともかくいいんだ、通算400勝。日本プロ野球が残り続ける限り「永久に残る」。いずれ一位を奪われる可能性が0じゃあないが、そこにロマンがある。
 その上で「記録より記憶に残る」が初めて現れる。あるいは一つの伝説的なプレーが現れる。たとえ賞味期限つきだろうが、語られることによって成り立つものが現れる。生き生きとしたおれだけの野球が戻ってくる。追憶と感傷がある。それはときに古い選手名鑑に残ってる。
 おれは正直記録マニアというわけでもない。でも、おれの野球が成り立つには記録が必要なんだ。死んでしまっても残るものが。選手が引退してやがて死んでしまっても、おれが死んでしまっても。与四球歴代一位金田正一1808。与死球歴代一位東尾修165。金田は与死球72。だからなんだ? だからそうなんだ。斉藤浩行はファームで通算161本塁打を記録した。それは現在も破られていない。それは、そうなんだ。