映画『気狂いピエロの決闘』を観る

気狂いピエロの決闘 [DVD]

気狂いピエロの決闘 [DVD]

 ピエロというのは怖いものである。少なくともおれにとっては物心ついたときからそうだった。ピエロの装束をした殺人鬼ものでも見たのかどうか? そんなことはない、ピエロそのものが、どこか怖く、そして哀しい。おれはピエロが苦手である。でも、気狂い(Wikipediaでは「きぐるい」になっているが、おれは「きちがい」と読んでいるよ)で決闘するんなら、なにか気になる。たぶん、ジャック&ベティあたりで予告編でも見かけたんじゃあなかろうか。
 で、内容はというと一人の女性を巡って二人のピエロが凄絶な殺し合いをするわけだ。背景にはスペイン内戦あり、フランコ政権下スペインありといったところ。画面は暗く、そして、早回ししてるんじゃあないのってくらいにシャカシャカ動く。暴力描写はエグく、キレがある。二人のピエロの狂いっぷりも見事なもの。「そうだよ、ピエロってのはこういう毒々しくて怖いもんだろうがよ」と思ったり。そして見事な泣き笑い。笑いはいまいちかな。そんでもまあ、なにか賞をもらっているような作品であって(←権威主義)、ひとつ観ても損はないかなという感じ。おしまい。