『インターステラー』を観るのこと

 本命はインターステラー。芝のマイルでは〈2.3.2.2〉と大崩れしないタイプ。0.2秒差で2着した前走の勝ち馬はその後昇級戦でも好走。牝馬同士のここは負けられない一戦。……え、馬の名前じゃないので?


 というわけで、クリストファー・ノーランの新作映画『インターステラー』を観てきた。場所は109シネマズMM横浜。駅前にブルク13ができてから、まったく行かなくなっていた映画館。ブルクの方の予約サイトが落ちていたので、それならばということになった。22日は夫婦/カップルデイということで、1人あたり1,100円で観られたのはもっけの幸いと言おうか。さらに言えば上映時間3時間なのであって、お得度は高いと言える。
 ……言えるだろうか。おれは3時間の映画というと、少しというか、だいぶ身構えてしまう。トイレに行きたくはならないだろうか? 背中が痛くならないだろうか? 眠くなりはしないだろうか? ……無論、映画が面白ければあっと言う間の話。
 さて、『インターステラー』は? というと、尻が痛くなった、そして少しウトウトした箇所があった。つまりは圧倒されなかった。ウトウトしたのは最初の星だ。もったいないことをした。しかし、だいたい、「この設定でこの親父がどうやって宇宙にまで行くのだろう?」と序盤から長さが不安になる感じ。下手をすればそこで寝ていて、気づいたら宇宙ということになる。が、そこまでは長くないし、それなりに飽きさせない作りになっている。トラックで疾走しながら、ロケットのカウントダウンをあわせるあたりなんかはいい見せ場なんじゃないでしょうか。
 というか、設定がそれなりになんというか、何が起きたかは明確に語られはしないが、地球がよくないことになっている。砂嵐の世界。ディストピアが前提になっていると村上春樹みたいな人が言っていたような気がするが、なるほどなにか承知できてしまうような気にもなる。
 あとはなんでしょうか、おれは一応のSF好きだし、一応のハードSF好き(理系知識・知能がまったくないので逆に作者の掌を転がされながら夢詰め込められるタイプ)として、それなりに楽しめたというか。まあ、こういう展開だろうな、というか。「新しい!」という感じはなかったけど、それなりにかな、と。と、さっきから「それなりに」が多いか。まあ、「それなり」であって、丁寧に、本当に丁寧に回収される伏線なんかも逆に突き抜ける勢い不足かな、というところもある。それに無理矢理に親子愛みたいなところが入ってくるハリウッド感はどうよ? というところもややあったが、そんなにきつくないので、そこは心配不要かな、と。むしろ、先日NHK高倉健の追悼みたいなのやってて、昔のインタビューで「人が人を想う心というのが一番美しいのだ」と健さんが言ってたので、そういうことだろう。
 と、まあ、なんだろうかね、そんなところかね。安心して観られる真面目なSFというところかね。映像的にすげえ! とか、この設定にはやられた! とか、この描写には参った! とかいうところは、正直なかったかな。というか、3時間は長いなあというところがマイナスに感じられるかといったところ。 客席はわりと埋まってたんだけど、エンドロールが始まると同時に席を立つ人がやたらと多いように感じた(おれは最後まで座ってるタイプ)。それと関係ないけど、隣の隣のご婦人がほぼずっと扇子をあおいでいたのが気になった。うん、映画と関係ないけど、今日はすこし暖かったからな。あ、でも、板型のロボットはすげえよかったし、あれは一見の価値ありかな、とかそんなところで。うん。

 ところで、下のゲーセンもこの映画館も来年1月に無くなるらしい。って、やっぱりブルク13の影響かな。それとも、開発が進んでるだから、建物的になんか新しいものになるのだろうか。場所的にやや不便だけど、さてどうなることやら。

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