『バーン・アフター・リーディング』を観るのこと

バーン・アフター・リーディング [Blu-ray]

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 おれはコーエン兄弟の映画が好きだ。とくに『ビッグ・リボウスキ』が好きだ。『ノーカントリー』も『ミラーズ・クロッシング』も『ファーゴ』も『トゥルー・グリット 』、『バーバー』も好きだ。
 ただ、それ以外はいまいちか未見だ。未見のうちの『バーン・アフター・リーディング』を観た。おれは……いまいちの箱に入れた。しょうもない人間どもの思惑、下心が複雑に絡み合い「わけがわからん」ことになる。そこに悲しい可笑しみがある、のだけれども、どこか中途半端な感じがする。散漫な感じ。なるほど、名だたる俳優たちはそれぞれに存在感はある。とくにロード乗りを演じるブラッド・ピットなど「若いな」という印象とともに、最後の出演シーンの演技なんかはすばらしい。すばらしいが、おれはこの作品を「コーエン兄弟のいまいち」の箱に入れようと思う。すばらしい作り手がいつも(おれにとって)すばらしいものばかり作るわけじゃあないのだ。そんだけのこと。

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