この世は資本主義なのでおれの血を止めるものはない

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われわれは老若男女、肌の色、髪の色、瞳の色に関係なく殺し合いをしている。

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金を奪いあうために殺し合いをしている。まったく平等なものだ。

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それが資本主義というものだろう?

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おれはお前を殺そうとしているし、殺しているかもしれない。

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まあ、おれは弱いので殺されている最中だ。血が止まらない。

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ただ、この世は資本主義なのでおれの血を止めるものはない。

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能力のあるものが生き、ないものは首をくくるしかない。

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それ以外のルールは存在しない。おれはお前を殺そうとしてその無能ゆえに失敗するし、おまえは有能なのでおれをうまく殺すだろう。

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おれは決定的に無能ゆえに死ぬしかないのだし、それはユーモラスでもシリアスでもない。ただリアルなだけだ。

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普及しなかったマンサクの品種。

言われてみれば舶来の感じがする太郎冠者(有楽)。

草木奇品家雅見に載っていた葉っぱ。

ただ一本咲いていた白難波。

生き抜いたものだけがなにか言うことができる。

敗北者は無言のまま自らの首を吊るすしかないのだ。