さて、帰るか

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外で雨が降っているような気配を感じる。ほんとうは職場の水槽のポンプの音が、水の気配をさせているのだと知っている。

何時間かまえに、飛び込み営業が飛び込んできた。若い女性のようだった。おれは声しか聞いていない。なにを売りに来たかと思えば、横浜FCのチケットだった。社長が愛想よく対応して、しばらく話したあと、愛想よく帰ってもらっていた。置いていった名刺をみると、代理店のものだった。こんなヤクザが入っていてもおかしくないようなボロビルの事務所の零細企業に飛び込むのだからたいへんな仕事だ。営業……おれにはおれが営業をする姿が想像できない。飛び込み営業となると、その文字列を打つ手すら震える。ヤクザが出てきたらどうするんだ。この世はコントじゃない。そしてヤクザは実在する。

とはいえ、おれのいとこの一人は結婚するまで飛び込み営業でバリバリとやっていたらしく、しかも非常に楽しんでいたというのだから、人にはそれぞれ向き不向きがあるということだろう。

しばらく前に、念書というものを書けと言われたので、書いた。こちらが被害を受けた話だった。ネットでフォーマットなどを調べて、あとは非常にネチネチとしつこく、恨みがましく、相手の非をあげつらった。こちらの受けた被害を並べ立て、それでも法的手段に訴えることはないのだという悲哀をうたい上げた。わりと上司の評判はよかったが、いくらか穏便な文言に改められた。残念な話である。人にはそれぞれ向き不向きがあるということだろう。

今日はもう帰って走るという時間ではない。わざと自転車で遠回りをする気にもならないし、あえて急坂を登って帰ろうという気もしない。酒が飲みたいかというと、最近はジョギングなど再開しているのであまりそういう気にもならない。腹も減っていない。コンビニでサラダでも買って帰ろうか。キャベツなら家にある。だが、まな板、包丁、なにもかも面倒だ。そしておれは余計な金を使う。

エースコンバット インフィニティ』というゲームがある。ベータ版のときに手を出して、非常にはまった。オンラインゲームの一種だが、やりとりはしなくてもいいし、したところで定型文しかない。プレイヤー同士の殺し合いでもないし(そういうイベントもあるらしいが)、わりと気楽にできる。が、本リリース時にとっついたかというと、すっかり忘れていた。そのうち年度末が来て、ゲームどころではなくなった。おれの中では3カ月か4カ月くらいやっていないのかな? と思っていた。

なぜ今になって手を出したのかよくわからない。1周年というから驚く。このタイミングで1から初めてどうなのか。レートは初期値の1500からどんどん下がる。初心者のみのルームでも、立派な装備をした人も多い。いったん初心者向けから抜け出たが、やはり上のクラスにはついていけず、すぐに降格した。そしてまた初心者向けをやって1500まで戻し、上のクラスに来てみたが、やはりついていけず下がり始めた。

エースコンバット』シリーズは、とにかく「俺TUEEEE」を楽しめるゲームだったように思える。メビウスワンになっていい気分になれるゲームだった。そう思っていたのだが、「俺まったく強くねえ」のに『インフィニティ』にちょろちょろ金を出すおれというのもよくわからない。まあ、おれは『エースコンバット』ワールドが好きだったのかもしれない。

d.hatena.ne.jp

これはアカンかったが……。

まあ、今夜はゲームをする時間もないだろう。とっとと小径車にまたがってアパートに帰ろう。帰る途中にプガ―チョフ・コブラでもしながらさ。