わたしもスマートに国勢調査に参加したかったよ……

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九月の終わりごろだったか、おれのアパートの郵便受け……というか土間というか靴置き場にペイっと一枚紙が投げ込まれていた。おれの部屋番号と、携帯電話の番号らしきものだけが殴り書きされていた。周囲の印刷部分を見るに、国勢調査に関するなにかであることはわかった。わかったが、連絡がほしいとも、なにをしてほしいとも書いていない。だいたいそもそもこれが国勢調査詐欺じゃないのかわかったもんじゃない。まあ金のない人間の住所と電話番号を結びつけた情報に何の価値があるかしらないが。

内心はわかっていた。これは真っ当な国勢調査に関する印刷物だろうし、連絡がほしいのだ、とも。ただ、あまりにも失礼じゃないのか。携帯電話の番号だけ書いて、ペイっだ。近ごろの若いもんはこれだからいかん。絶対にこっちから連絡せんぞ……と謎の昭和じじい心を発揮することにした。まあ、数日経てば電子による冴えたやり方による案内状が投げ込まれると思って……。

……たんだが、投げ込まれないでやんの。でもって、今日になってマークシート式、黒鉛筆記入式の茶封筒がペイっと投げ込まれていやがんの。なにそれ。おれにもスマート国勢調査に参加させろよ。どうなってんだ。ふざけんな。とかいいつつ、フォア・ローゼズのミルク割り飲みながら回答して、返信封筒に入れたところ。しかしまあ、いったいこれに何の価値があるってえの。「あなたは1年以内にエイリアンに拉致されましたか?」とか「あなたは近いうちに自殺の予定がありますか?」とかエッジのきいたこと調査しろや。どうなってんだ、ふざけんな、とかいいつつ。