丸数字は変わらず……! 『レッド 最後の60日そしてあさま山山荘へ』1巻を読む

 ちょっと前にこの記事読んで、「え、仕切り直しで?」とか思ったりして、その上で「おれは前シリーズ最終8巻を買っていただろうか?」などと悩む。が、検索してみれば買っていた。

書店で『レッド』8巻を見つける。おれはこれを買ったのかどうか? シュリンクしてあるから中身がわからない。奥付も見られないので発行日も調べられない。もう潰れてしまった本牧の小さな本屋は発売日がわかるようにシュリンクに紙を一枚挟んでいたぞ。そのくらいのサービスはできないのか紀伊國屋書店! 総括しろ! がんばれ! がんばれ! そして自分は内なる日和見主義に打ち克つために、これを購入して革命戦士として新たなる地平に立つことを宣言します! よーし購入! ……買ってなかったのかくにん、よかった!

 という具合で、8巻についてもよくわかっていなかった。日和見主義として総括が必要かもしれん。まあ、そうとわかるようにメモしていたものなのだけれど。
 して、『レッド 最後の60日そしてあさま山山荘へ』だ。今までは「あさま山山荘」って出てたっけ? まあいい。もう最後の60日だ。それにしちゃ丸数字……すなわち死ぬ順番が二桁のキャラがまだまだいる。これから一気に、だ。
 そう、知らん人に知らせたいが、この漫画は死ぬ人物について全登場コマに死ぬ順番の数字が付いているんですよ。邪魔じゃないの? あるいはネタバレになってるんじゃないの? とか思うかもしれない。でも、そんなことはぜんぜんない。これは漫画の革命的発明だ。まあ応用は効かないような気もするが。ともかく、おれは丸数字がおそろしいし、一方で数字のついていないキャラを見るとほっとする。この数字がついてるやつがこんなことを言っている。一挙手一投足に注目せざるを得ない。数字の若い人間が、日常的なことを言っている。哀しいものがある。
 そう、おれは丸数字に揺さぶられている。そしてたぶん、これからますます揺さぶられる。この一団の中へいるような気になってくる。死の恐怖がそこにはあって、これはそういう空気をじっとりと感じさせるのだ。が、一方で山本直樹らしいドライな絵柄というか雰囲気もあって、その落差にも突き落とされるのだ。早く続きが読みたい。次は秋発売予定、らしいが、さて、おれに丸数字がついていないとも限らない。どうなることやら。
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……前シリーズとはカバーの紙が変わった。