齢40にしてレッチリに出合う

 酒を飲んでも、睡眠薬を飲んでも(注:両方飲むから効かない)眠れない夜、おれがベッドの中ですることといえばe-bookoffの「3点で送料無料」でなにかお得な買い物をすることだ。これが意外に難しく、あまり買うに至ることはない。
 が、その夜は違った。Nav Katzeの『新月』を見つけてしまったのだ。初期のベスト盤は持っているが、『新月』は持っていない。できれば総額1,000円以内でこれを手に入れねばならぬ……。さて、漫画? 文庫本? どうしよう? と思ったときに、なぜかふと頭に浮かんだのがレッド・ホット・チリ・ペッパーズだった。いや、精確にいえば「By The Way」だった。

 そうだ、これだ。レッド・ホット・チリ・ペッパーズを聴いてみよう。

Greatest Hits

Greatest Hits

 というわけで出てきたのがこれだ。「Californication」ってのはあれだ、「カリフォルニア・レスト・イン・ピース♪」のやつだろ(違ったけど)、いいじゃないか、という具合だ。
 でもって、ナーヴ・カッツェはひとまず置いといて、「By The Way」と「Californication」ばっかり聴いているというのが現状であって、さらにどうしても「カリフォルニア・レスト・イン・ピース♪」のやつが(「Dani California」)聴きたくて、もう一枚アルバムを買うに至った。
 ……このMVは癖になる。
 てな具合に、この歳になって(タイトルは年齢詐称してます)レッチリに目覚めてしまった。……とまで言えるのかどうか。というのも、どうしても上に言及されている3曲に集中してしまう傾向にあるからだ。その3曲、シングルでもすげえ売れたやつらしいし、要するに普段聴かない層にまでリーチした曲がおれにも届いた、ということかもしれない。いや、でも2枚組『ステイディアム・アーケイディアム』の「Dani」の方とかわりといいか……。
 うーんしかし、アメリカン。おれはどちらかというと若いころブリット・ポップ方面というか、グラム・ロック方面というか、アメリカかイギリスでいえばイギリスの方であって、アメリカといえばベック(ジェフじゃない)大好きな他はあんまりというか、ぜんぜん聴いてこなかったな。いや、単発的には……ルー・リードとかライナス・オブ・ハリウッド(アメリカだよな、つーか、急になんで名前が出てきたのだろう)とか……うーん、しかし、激しいロック方面には疎かった。でも、レッド・ホット・チリ・ペッパーズにはリリカルなところがあって、どうもこうツボを突かれた。というか、「By The Way」とかとっくに届いていたのだから、手を出してもよかったんだよな。機会の損失。とはいえ、まあなにかを受け入れるにも時期というものがあって、それはおれにはどうしようもない側面もあって、たとえばいきなり30を過ぎてアニメ見はじめたり、日本語ラップ聴きはじめたり、わかんねえなってところはある。そういえばこのところ大相撲が面白い。そういうこともある。まあ、3ヶ月後に「フルシアンテのここのパートが……」とか語ってるかどうかといえば怪しいところはあるのだけれど。おしまい。