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おれひとり本牧を行く

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スカッと晴れた土曜日、今日は会社に行かない。洗濯をしてシャワーを浴びて、おれは部屋を出た。

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本牧神社に行こうというのだ。あの揉め事はどうなったのだ? まあいい。伊勢山皇大神宮本牧神社、両方おさえておけば横浜でのおれの幸運は約束されたようなものだ。

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本牧……。おれはほんらい横浜の者ではない。流れ着いて十年を超えるが、やはり幼少期を過ごしていないので、確固たる土地鑑というものがない。

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ゆえに本牧といわれてもいささか漠然としている。山手隧道のこちらがわ、たとえば奇珍のあたりから、間門の交差点までの長い商店街のあたりをいうのだろうか? 海沿いの方は山下に分類されるのだろうか。ちなみにおれは奇珍に入ったことがない。

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もう昼も過ぎて、二時も過ぎた。

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てくてく歩く。イヤフォンからは上坂すみれの歌が聴こえる。

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途中、小さな神社に寄る。

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「無断投棄は罪です」。「キリストは復活する」。

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みかん「どろぼう」は復活する?

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みんな言いたいことがある。言いたいことがあれば言えばいい。

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「僕の一番好きなのは人間の盲目的行為だ。精神そのままの爆発だ。しかしこの精神さえ持たないものがある。」

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「思想に自由あれ。しかしまた行為にも自由あれ。そして更にはまた動機にも自由あれ。」

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……って大杉栄が言ってた。僕は大杉栄の「僕は精神が好きだ」が好きだ。

大杉栄 僕は精神が好きだ

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これは……ユーカリの銀葉で丸葉の品種だろうか? ちょっとした異空間。

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行ったことのないルートから本牧山頂公園に入る。本物の金持ちが住んでいそうな屋敷があったり、それでいて、安アパートが向かいにあるような地区を抜けて。

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例の争いはどうなったのだろうか? どうでもいい。

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二礼二拍手一礼しながら、「金、金、金をどうにかしてください」と念じる。強く念じる。強く強く念じる。

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帰り道、ドラッグストアでトイレットペーパーを買う。貧乏人のおれだけど、トイレットペーパーだけは一番に高いものを買う。だれにだって大切にしたいものはひとつかふたつはあるだろう?

メッセンジャーバッグの中に読みかけの推理小説をしのばせていたのだけれど、どこの喫茶店にもファミレスにも寄ることなく、100円ローソンで牛乳もどきとなにか洋菓子を買って帰った。夕方におれはミューズリーと菓子を食った。おれと本牧は縁遠い。