「中野でランチ、いろいろありますね。スリランカカレー? どんなんか知らんし、いいんじゃないっすか?」となってiPhoneを片手にうろうろ(やめよう、歩きスマホ!)
1階ではなくビルの3階にあると気づいたのは女だった。気づいてもらわなければ、延々と中野駅の南の方をぐるぐる回り続けるだけの人生だった。
アチャラナータ (Acala naatha) - 中野/スリランカ料理 [食べログ]
ワンプレートで、なんかおれはナスのなにかをトッピングした。向かって左あるのがチキンで、右が豆で、手前がかぼちゃで、辛い鰹節みたいなのがあって、半分ぐらい食べたら奥の豆のせんべいを割って混ぜて……みたいなことは店長さんが懇切丁寧に教えてくれる。ライスがサラサラで、おれはサラサラの米が好きなので、サラサラと食ってしまった。
さて、目的地はスリランカカレーではない。むろん、このサピックスのみで構成されたビルディングでもない(一個くらいサビックスを混ぜるくらいことはしてほしい)。
線路の下をくぐり北上。
活気ある商店街を抜け北上。
中野ブロードウェイ。ここである(看板がぶった切れているのは単焦点のレンズつけてて移動が面倒だったから)。おれは上坂すみれのセカンド・アルバムがかなり気に入ったので、上坂すみれの魂の本拠地である中野ブロードウェイがどういった場所か見に行く必要があると感じたのである。そして、おれは主義者になれるのかどうか。
そしてもう一つ、こんな話がある。もう30年も前のことだろうか。二人の女子大生が中野ブロードウェイの公衆電話コーナーでふざけていたら、一台の電話が落下して、それにともなって壁の中のコードがバリバリ音をたてて出てきてしまった。壁面崩壊。近くの店のおばちゃんに激怒され、「オーナーに言って全額弁償よ!」と叱られたものの、その後に警備室に呼び出されたところ、警備員のおじちゃんはいい人で、なんだかわからないが許されたという。その女子大生だった人は、さっき一緒にスリランカカレーを食った人のようである。
ラムネ味うまかった。……というわけで、魔境というか、異次元というか、魔窟というか、なんというのか、「これが中野ブロードウェイというものか」という強い印象を受けた。なんでこんなにすばらしい場所が横浜にはないのか。ぴおシティ、今すぐこれとおんなじような存在に生まれ変われ。地下で野菜とか売ってるし、絶対におもしれえって! とか思った。まあ、おれは鵜の目鷹の目ですばらしいストライクウィッチーズのなにかを探していただけではあるが(やっぱり中古品のお店でも「今が旬」のものが多いのね、ほとんどなかったわ)。結局おれは小さなフィギュアと漫画3冊を買った。女は鞄をひとつ買った(『おそ松さん』グッズを買う若い女性を目の当たりにして驚いていた→
おれの女は怒りながら『おそ松さん』を観る - 関内関外日記(内))
。外国人のお客さんも多かったし、それに対応する店員さんも多かった。にわかオタクのおれなどは、秋葉原などに行くとどこに行っていいかわからないが、なんというかここはもうオールインワンだろうし、ああ、もっと近ければなあ、と思うばかりで。
さて、その後、行きたいところがあると女。
どこですかね? と南下。
南下しちゃって。
やはりGoogle Mapsは非常に細い路地を好み。
中野駅の北の方とは違う静けさのなかを歩いて(すごく風が強かった)。
中野と杉並の境を見たりしつつ。
このポスターが貼ってあるブロック塀のなかの建物が某宗教団体だったりして驚いたりしつつ。
まあとにかく住宅街を歩いて。
はい、来ました中野ブロードウェイの壁を破壊した女の母校。ずーっと来ていなかったという。中野ブロードウェイにも、母校にも。しかし、ノーベル生理学・医学賞の先生が……芸術に造詣が深い人なのね。
「当時も変質者が多かった。いつも同じ路地で待ち構えて下半身を露出するおっさんや、通学路に停めた車の中で一人でしているおっさんがいた。あるときなど、全裸で校庭に走りこんできた男がいた」そうである。最後のは美術のなんたるかを教えに来たダダイストかなにかかもしれないが。
これ見て、『真田丸』を思い出した。そんだけ。
それとこのキャラなんだろ?
まったくわけがわからない。
地下鉄に乗ってふと気づけばここはどこ?
なんかいるし。
ばーん、大遊戯場歌舞伎町。
どっからこんなに湧いてきたんだ、というくらい人が多い。
中野ブロードウェイくらいが限界だ。
とか言いながら夜の街に消えていった……。
(というのはうそで、どこぞの健全すぎる大戸屋で健全に定食と一杯のビールを飲んで帰った)
おしまい。
……追記:ガイドブックをめくっていて「4階」があるのに気づいた。しかも「4階」はなんか濃そうである。何事にも先達は……。また行かねばならぬ。主義者への道は遠い。
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