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シンでも旧でもない『ゴヂラ』を読むのこと

読書 感想文

 

ゴヂラ

ゴヂラ

 

シン・ゴジラ』も観たし(たぶんもう一回くらい劇場で観ると思う)、ちょっと高橋源一郎先生の『ゴヂラ』も読んでみようかと思った。

それでもって、おれはなにかの思い込みで、これは3.11以降の小説だと思っていた。同じように、「ゴジラ」を一連の天災、人災にたとえたのだと。ところが、2001年の作品なのだから、見当違いもはなはだしい。舞台も東日本ではあるが石神井公園付近だ。まったく。

「おれはもう堕落しているからだよ。おれは『正義の見方』であって『天使』じゃないんだ。わかる?」

「わかるとも。おれだって『悪の手先』ではあるけれど『悪魔』じゃないものな」

というわけで、冒頭に、

この作品を世界の全ての苦悩する詩人たち(藤井貞和等)に捧げる

とあるように、藤井貞和等が街の掃除などをする話なのである。うーん、どうも、なんというか、森鴎外夏目漱石も出てくる一方で、全体的に初期の作品、大傑作『さようなら、ギャングたち』や『ジョン・レノン対火星人』っぽさをなぞっているようであり、日本文学ものに足を突っ込んでいるようでもあり、なんともいえぬ。正直なところ、これをもっておれの好きな高橋源一郎の紹介としたくないな、というところはある。おれがだれか好きな人におれの好きな高橋源一郎を紹介するなら『さようなら、ギャングたち』か『競馬漂流記』であろう。

とはいえ、つまらん小説かといわれると、やはりノーと答えるおれもいる。『ゴーストバスターズ』やなにかで出てきた正義や悪の問題にもちょっぴり踏み込んでいるし、高橋源一郎らしい味みたいなものはある。けれど、最高にカリカリに仕上げた高橋源一郎じゃないな、と感じた。感じたのだからしかたない。そんなところである。おしまい。

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