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くるり「東京」のよさが今になってわかってきたこと

 

今宵のミュージックステーションに、くるりが出演した。おれはそれを見た。岸田繁タモリは鉄道の話を少しした。CMあけに「東京」を演奏した。オリジナル・メンバーの3人。先日、スペースシャワーTVのメンバーで演ったのと同じ構成。おれは「ワールドエンズ・スーパノヴァ」あたりからくるりを聴き始めたので、その点で感慨のようなものはなかった。それでもおれには「東京、いいな」という思いが生まれていた。

くるりの「東京」。古いくるりのファンならば「いいな」という思いがたくさん詰まっているであろう、必殺の一曲。今までライブで何度か聴いた。もしもカラオケなんてもので歌うはめになったら、実に難しそうだという感想を抱いた。その感想は今でも変わらないが、それでも「東京、いい曲だな」という思いが芽生えた。パーパーパーパパー、パーパーパーパパーラパパー。

おれには上京という体験がない。鎌倉から夜逃げして、たどり着いたのは横浜だ。横浜という都市の規模がおれには限界だ。子供心に、おれもいつかは東京に行くという思いはあった。東京に行くのだろうとは思っていた。それは実現しなかった。中退した大学に半年くらい通ったのが、せいぜいおれの東京体験である。おれには横浜くらいの人の多さが限界だ。それも、横浜駅ではない、関内、桜木町くらいが限界だ。おれは人の多さが苦手だ。だから、東京に真に思い入れを抱くことはできないのかもしれない。

しかし、「東京」、これはいい曲だぜって、あらためて思ったのだ。なぜだかはわからない。おれにとってくるりは「ワールドエンズ・スーパノヴァ」であり、「ワンダーフォーゲル」であり「ばらの花」であり、「ハイウェイ」なのだが、このところ「東京」に感じ入るところが大きい。キャリアの半ばからファンになったおれは「東京」が出たときの衝撃を、享受を、共感を知らぬが、今、なにか「東京」が好きになった。そういうこともある。それだけの話である。