山本直樹『レッド 最後の60日そしてあさま山荘へ』3巻を読む

 体裁の変わった『レッド』の3巻を買った、という自分用のメモである。もし4巻が買えるまで生きていたら、4巻を買うだろう。おれはおれの頭の丸数字を知らない。
 おれにはいくつか読み続けている漫画がある。ほんのいくつかにすぎない。金が無いから漫画を買えないし、図書館で借りるわけにもいかない山本直樹の『レッド』はそのほんのいくつかのうちの一つである。そして、完結に向かって道筋が見えている作品である。『ヒストリエ』は終わらないんじゃないのかね。
 とはいえ、『レッド』に飽きてきたところがないわけではない。もうすでに始まっている総括、死刑。そこにだんだんと緊張感がなくなってきているのだ。作品の緊張感じゃあない、おれの緊張感だ。逆にいえば、そこに緊張感がなくなっているあたり、『レッド』の思う壺というところもあるだろう。「北」の長台詞、絶え間ない暴力。そこに慣らされていくおそろしさ。結末はネタバレしている。登場人物の死ぬ順番がすべての登場シーンで明記されている。それに慣れていくということ。おそろしい、おそろしい。
 して、この『レッド』、たしかに結末に向かって、最後に向かって進んでいる。進んでいるが、本当の「最後」はどこに置くのだろうか。できることならば、山荘で終わらずに「北」の死、「赤城」の死まで描いてもらいたいものだが。さて。
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