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双極性障害のおれが『うつ病の事典 うつ病と双極性障害がわかる本』を読む

感想文 病気 読書

 

うつ病の事典 (こころの科学増刊)

うつ病の事典 (こころの科学増刊)

 

野村総一郎、加藤忠史、とくれば、なにかしら信頼が置けるような気がしている。むろん、おれはただの患者当事者であって、気がするだけの話である。医療従事者の間で「あれはインチキだ」と言われていたところで、知るすべはない。情報信ずべし、また、信ずべからず。

というわけで、「うつ病の事典」というわけである。副題にあるように、双極性障害も半分扱ってくれている。2011年の本である。それから新たなる発見もあったろうし、まだまだわからない点もあるだろう。本書はQ&A形式でうつ病双極性障害について解説してあって、わかりやすい本といえる。そして、「あー、おれ、これ、知ってんなー」というくらいのものである。伊達に何年も精神科だか心療内科だかに通ってるわけじゃあない。

いくつか、メモを、

……双極性障害になりやすい性格(あるいは気質)としては、循環気質、発揚気質、執着気質、マニー親和型気質などをあげることができます。双極性障害になりにくい性格は特別に同定されているわけではありませんが、おそらくは弱力性、無力型の性格で、このような性格の人はディスチミア親和型うつ病(樽味信)を発症することはありますが、双極性障害の発症は免れると考えられています。それは、最もエネルギー水準が低いからでしょう。

双極性障害とは」寺尾岳

おれは「病前性格」というものがあるのかどうかよくわからないが、こんなことが書いてあった。おれはおれを非常に無気力な人間だと思っているので、おやおやという感じはする。感じはするが、おれはおれを無気力な人間とする一方で、なにかにのめり込んでしまう、集中してしまう、あるいはなにかしらサムシング・グレートなエネルギーを持っているようにも思うので、そちらを取って双極性障害になったということにしよう。取った、取られたという話じゃあないだろうが。

 また、季節との関連では、いわゆる季節性感情障害の少なくとも3割くらいに双極性障害が含まれることが判明しています。このような患者では、冬にうつ病エピソードを生じ、夏に軽躁病もしくは躁病エピソードを呈することが多いことが知られています。

同上

これはまた、そうなのかというか、今は冬で、おれは落ち込んでいるのだから、そうなのだろうと思わざるをえない。真冬の札幌で生まれたおれは冬を愛するが、冬はおれを愛さなくなってしまったようだ。かといって、夏が恋しいとも思わない。ただ、夏には冬の、冬には夏のことを思うよな。これは病気に関係ない。

 これまで行われた複数の研究では、双極性障害の患者において、その経過中に他の精神疾患を併存する例が多いことが明らかになっています。

 もっとも代表的なものとしてはアルコール依存症や薬物濫用などの物質使用障害があります。

双極性障害のさまざまなタイプ」神庭重信監修

たぶん、これはうつ病よりも双極性障害に多いような、そんな感じはする。ひどい抑鬱状態になっているときでもなければ、躁状態、軽躁状態でもない、宙ぶらりんのとき、宙ぶらりんといっても、やや精神が悪い方に向っているときこそ、アルコールの出番となる。マイナスをプラスにしようとする。でも、マイナスは、せいぜいゼロくらいにしかならない。アルコールの効用と限界がそこにはある。おれにはそれがよくわかっている。わかっているつもりだ。それでもって、いくら自殺企図率が高まろうと、おれは酒を飲む。

……さらに自殺のリスクが大変高くなるという深刻な問題もあり、双極性障害と物質使用障害が併存すると障害に自殺を図る率が67.7%にのぼるという調査もあるほどです。

同上

おい、すごい確率じゃねえか。なあ。じゃあ、どのくらい飲めばいいんだ?

基本は、うつ病にも双極性障害にも禁酒が求められます。

「患者さんの生活改善」内村直尚

おう。

 しかし、冒頭に述べましたように、禁酒が原則です。飲酒によって症状が軽快することは絶対にないことを繰り返し警告しておきます。

同上

それでもよお、飲まなきゃやってられんのだ、人生。病気による妄想とかそんなんじゃねえよ、生活の基盤が、将来の見通しが、すべて客観的にアウトなんだぜ。今日のところは寝るしかないといっても、眠れないんだ。人生が怖いんだ。だから、アルコールで目をそむけさせてくれ。おれが手に入るものなら、アルコールじゃなくたってかまわない。オランザピンとその他抗不安剤じゃあ足りないんだ。なあ、おれにこの世を見せないでくれ。おれの人生を見せないでくれ。ずっと目をつぶっていたい。それが眠りでも、死でもかまわないんだ……。