事前情報もたまには大事やね 映画『孤高の遠吠』

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おれは映画やらなにやらを観るまえに、できるだけ情報をシャットアウトしておきたいと思う人間だ。たとえば、たとえばの話だが、ラストに犬のうんこを食う映画があったとして、「これは最後に犬のうんこを食うんだな」と知っているのと知っていないのとでは大違いだと思うからだ。むろん、「最後に犬のうんこを食うぞ」ってのを楽しみに観るタイプの人もいるだろう。おれは、知らないで見ていて、「あ、犬のうんこ食うんだ」って思う方がおもしろいと思うタイプの人間なのだ。

……なのだが、この映画、『孤高の遠吠』に関していえば、うえのインタビュー2本くらい読んでおけばよかったと思わずにはいられない。富士宮と富士あたりの不良映画。どこか冷めた感じのあるリアル。なにやらただならぬ気配があってじっくり観てしまったが、これ、出てるの本物の人たちなんだってよ。本物の素人の不良。それ知ってたらもっと楽しめたかもしれない。どこが楽しいの? と言われると困るが、『ヤクザと憲法』のヤクザが本物なのは……ドキュメンタリーだからあたりまえだが……、なんかそんなんだったか、という驚きだ。そうと知っていれば、もっとこのヤンキー感、刺青感、原付感が味わえたのに! と思ったのだ。

というわけで、このエントリーを読むことになるであろう6人か7人くらいの人は、この映画についてある程度の知識を得たわけだ。おれの勝手な裁量によって初めて知ってしまったのかもしれないが、どうでもいい、知ったのは幸いだとおれが決めつける。というわけで、『孤高の遠吠』、最優先でなにがなんでも観るべきとまでは言わんが、まあちょっといいね、よかったね、というところである。実在の、と知った上で観ると、あのキャラとかすげえなとか思わずにはおられんところがあって、ちょっともう一回早回しで観たろうか、くらいにはな、と。以上。