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まちかど事件簿・その1 いきなりステーキのガラスをぶち破ったのはだれ?

どちらも走行中の自転車から見た一瞬の光景にすぎない。だから、おれが「レジみたい」と思ったのも、年代物のパソコンの不法投棄だったかもしれず、「いきなりステーキ」のドアガラスがちょうど人一人入れるくらいぶち破られていたのも幻覚だったかもしれない。あれは警察官じゃなくて警察官の格好をするのが好きな人だったかもしれない。とはいえ、おれも白昼夢のなかばかりに生きているわけではないし、そう思いたいからすぐにツイートした。明日の神奈川新聞にでも載るだろう、と。

と、載ってませんでした昨日も今日も。クライム・シティ横浜では、こんな事件一日六十三件くらい起きていて、八十七歳のいいおじいさんがガスバーナー片手に横浜銀行県庁支店に押し入って七人くらい焼き殺さなければ記事にならない。

……あるいは、やっぱり、おれの白昼夢? というか、「いきなりステーキ」の時点で自転車を止めて、警察官(だと思う人)に「あっちにレジみたいのが転がってましたよ」とか言うべきだったのかもしれない。それが模範的市民というやつに違いない。でも、おれはそのとき「キャー、遅刻、遅刻~!」と言いながら自転車を漕ぎに漕いでいたので無理だったのだ……。

その晩は雨が降った。おれは歩いて帰った。ふだんとは違う、「いきなりステーキ」の前を通るルートをわざわざ選んだ。どうなっているのだろう。

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普通に営業してました。しかし、入口のガラスになにかテープが貼られている。なんだろうか。あのバリバリの大穴をテープで塞ぐわけにはいくまい。

そしてまた、おれがレジっぽいものが落ちていると思っていたところにもなにもなかった。

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チョークでなにか書いた跡も残っていなかった。やっぱりgoldheadさんの頭はおかしいのか? だって、新聞にも載ってないし……。

いや、違う、事件じゃないのかもしれない。ここには単に不法投棄があった。すごく大量の荷物をリアカーに載せてゴミ捨て場を渡り歩いてさらにものを載せるおじさんが来て、持っていったに違いない。

そして、「いきなりステーキ」の方は、ドジっ子アルバイトの女の子が「キャー、遅刻、遅刻~!」とか言いながら慌てて店に入ろうとしてガラスドア大破。で、「いっけなーい、またやっちゃった。あたしクビですか? 店長?」とか言ったら、「いいや、君のいきなり感がこの業界には求められているんだ!」とかいうサクセス・ストーリー。ここは美しい街、横浜。そんなこともあったっていいじゃないか。なあ。