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それは天国への階段でないと気づいている

なにか

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それが天国への階段なのか、地獄へ降りる階段なのか、おれにははっきりとわからなかった。どちらで変わりがないと思っていたのかもしれない。おれの人生が底をつきそうな今思うのは、些細な嘘、裏切り、虚言、暴力、逃避、そういったものが積み重なって、あるいはおれというものを削って、今があるのだということだ。報いというものがあって、良いことをすればよい報いがあろう。悪いことをすれば罰が与えられよう。世の中というものはそのバランスが実のところわりかしよく機能していると、そう考えるほかないのである。悪口を言った、体育の授業のソフトボール、守備が下手な三塁手を狙って打った(そしてそいつを笑い者にしようとした)、だれかのパクリをした(ジャンプ放送局)、そんなことが積み重なって、おれはにっちもさっちもいかなくなりつつある。それは天国への階段でないと気づいている。おれはこわごわと、一歩一歩地獄に降りてゆく。地獄に降りてゆくのは耐えられないこと。だからおれは酒を飲む。酒を飲んで逃げてなにが悪い。簡単な自殺の方法を調べてなにが悪い。そう、すべて悪い。おれはまた一歩地獄への階段を降りた。おれが選んだのは敗者の道、孤独の道、だれにも顧みられない道。それを選ばざるを得なかったおれの怠惰、卑怯、悪心。どうして生まれてきてしまったのか問うてもしようがない。不生の仏心を今から追い求めるにはもう遅い。すべては遅くなってしまった。こんなときばかり馬券の調子が良くったって、なんにもならない。おれは100万円になるような馬券は買わない。くだらないところで一般人だ。いずれナイフを持って立つこともあろうが、そのあときっと自分から110番するに違いない。もしもし、おまわりさん、強盗です、ぼくです。ああ、おれには死ぬこともできないのか。金はなくなってゆく。頼れる親族も友人もない。ただ、無へと一歩一歩近づいてゆく。アルコールだけがそれを心地よいものにさせてくれる……。