5月3日、おれは新幹線に乗っていた。素性の知れない旅に出る。
見送りは見知らぬ猫一匹。
さあ、新幹線よ進むのだ。
え、ここは新幹線乗り場ではないのですか?
というわけでおれは盆栽美術館に行ったのだった。
盆栽美術館の撮影許可範囲は少ない。
この白化した部分をなんとかいって、それを愛でるのである。
根も苔もいい感じなのである。ほんとうにいいもの、名前のついたものは撮影不可なのである。安倍晋三蔵の盆栽と、岸信介の盆栽もあって、そこにだけ警備員がついていたのである。
盆栽町では盆栽市が開かれていた。地元小学生の盆栽なども展示されていた。小学生で盆栽は早い? いや、これは「時間のかかる彫刻」なのだ。盆栽美術館には樹齢500年級などがあった。80年生きるにしても、小学生からでは遅すぎるくらいかもしれない。
多分大尉もそう言うだろう。
ボンサイ……外国人に意味は通じるのか?
さて、鉄道博物館である。土呂駅から大宮に戻り、タイヤ付きのなにかで隣の駅に行く。盆栽美術館、鉄道博物館、どちらも入口の写真を撮っていないのは痛恨のブロガー失格といえる。しかし、たばこの葉ってこんなに大きかったのか。
ちなみに、意図せずホワイトバランスが狂ってる。
べつにノスタルジー感を出そうという意図があるわけでもない。設定をよく見ていなかっただけの話である。
このラインは美しい。
この歯車感はすばらしい。
冷却飲料水を飲みたい。
そして新幹線といえばこの顔であろう。同行者である女はブルートレインなどの古い列車に乗っては「なつかしい」を連発していた。おれもいくらかはなつかしい、と思った。おれだって1970年代生まれ、ボックスシートに灰皿のあった世代。
それにしても、おれは小さな頃から寝台列車に憧れがあった。二段ベッドの上で、列車に乗っているという空想をよくしたものだった。気づいてみれば寝台列車というものはなくなり、あるいは手の届かない高級な存在として復活していた。もしもおれが高校生あたりのときに普通に乗ることができれば、乗っていればよかったと思う。後悔は、ある。
後悔しても、遅い。
ところでこの鉄道博物館には乗れる、座れる列車がある。座ってるだけでおれはいい気分になる。なかには飲食可、の車両もある。そこで駅弁など食っていいのである。これは知らなかった。知っていれば大宮駅の駅弁フェアの駅弁などを買って持ち込んでいたことだろう。これはナイスだ。ナイスなアイディアだ。ただ、あまりナイスでないと思ったのはグッズコーナーで、なにか古い本物の物を売っていればいいのにな、と思った。
ゴールデンウィーク、客層。すごく小さな子と親、というのが多かった。ともかく子供というものは元気だ。元気過ぎる。そして次に多いのがおれより歳を食った懐古的ファン、という感じであった。いいカメラを持っていた。カップルなども少々いた。ただ、少ないなと思ったのは中高生で、中高生は電車に興味がないのか? いや、せっかくのゴールデンウィーク、実際に電車に乗るなり、電車を撮るなりしているのだろう。たぶん。
おれは人車鉄道というものを初めて知った。あと、タブレット閉塞式。
そしておれは鉄道博物館をあとにした。湘南なんとかラインで横浜まで一撃だ。よくわからなくなったが、いい時代になったものだと思う。
盆栽美術館は入場料300円の安さ以上にお得感があった。盆栽市では苔玉に生えたなにやらを買ったりした。鉄道博物館はボリューム満点であって、よく歩いた。歩く分、転じ車両の中に座れるので休むこともできた。1日で盆栽から鉄道、これは悪くない。みんな、湘南なんとかラインで埼玉に行けばいいと思う。いや、あんたがどこに住んでいるのかは知らないが。
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