大戸屋で二度三度

はくばく 大戸屋 もちもち五穀ごはん 180g(30g×6)×6袋入

女と大戸屋に入った。同じ定食を頼んだ。違いがあるとすれば、おれはそのときあえて五穀米でない方、すなわち白米を選んだというだけだった。

品物が来た。

あれ? 女の方にしょうゆ色した液体調味料の入った小鉢が一つ足りない。店員さんを呼ぶ。

「おなじものを頼んだんですが。この鉢がこっちにしかついてなくて。向こうにはないんですけど、なにか別のものが紛れたんですか? それともつけ忘れですかね?」

と訊いてみる。

「はい! 少々お待ち下さい」

と、その店員立ち去る。小鉢を持ってくる……のではなく、先輩バイト的な人を連れてきた。

「おなじの頼んだ。こっち鉢一つ多い。向こうない。余計なものついてきたか? それとも向こう足りないか?」

と訊いてみる。

「……はい! 少々お待ち下さい」

と、その二人立ち去る。小鉢を持ってくる……のではなく、バイトリーダー的な人を連れてきた。

「この鉢、こっちある。向こうない。おかしい」

と訊いてみる。

「アッハイ、こちらのつけダレが足りてないようです。今すぐお持ちします」

鉢来る。飯食う。飯食い終わる。

女、大戸屋のポイントカード出す。今回は溜まっている。おれに渡す。一食分サービス。

レジに行く。ポイントカード出す。店員さん、なにかポイントカード精算の操作する。なにか悪銭苦闘している。

「少々お待ち下さい!」

なにやら先輩バイトみたいな人を連れてくる。

「……同じ商品二点で……片方だけ、ポイントで……」

「少々お待ち下さい、出し直します」

先輩バイトみたいな人操作する。

先輩バイトみたいな人失敗する。

「少々お待ち下さい」

先輩バイトみたいな人、バイトリーダーみたいな人連れてくる。

「アッハイ、わかりました」

なにやら操作する。バイトリーダー見事に精算終える。

「大変おまたせしました」

おれ、レシートとお釣り受け取る。

思えば、最初の件はメニューと見比べればすぐに「この小鉢が足りないのですが」と言えたはずだ。

レジでは「会計別々に」と言えばあっさりいったはずだ。

大戸屋で二度三度。

こちらにも非がある。

そんな日もある。