誰だこんな邦題つけたのは! 『セント・オブ・ウーマン ~夢の香り~』

 

……とか吠えてみたら、原題「Scent of a Woman」そのままでした。でも、このタイトルだと、どう考えてもラブロマンスとかそんなんだよな。「夢の香り」がいかん。ともかく、タイトルと違うんだよな。どうにも。おれに英語はわからんが、ともかく、なんか違うんだ。じゃあどんな内容か。Amazonから引用しよう。

全寮制名門高校の生徒チャーリーが、休暇中のアルバイトで全盲の元陸軍中佐フランクの世話をすることに。しかし、頑固なフランクとの出会いは最悪なもの。フランクの言動に戸惑いながらも、心やさしいチャーリーは行動を共にすることになるが…。
歳の差を越えた2人の男に友情が芽生えてくるプロセスは、生きることの意味や素晴らしさを感じさせてくれる。また、アカデミー賞主演男優賞を獲得したアル・パチーノのごく自然な演技にも注目。女性のつけている香水を嗅ぎ分ける能力に長けているフランクだが、そこで美女をゲットしてタンゴを踊るシーンはスマートでなかなかの見もの。中年男の愛らしさも垣間見ることができる。(近藤鈴佳)

こんなんである。あんまりウーマン要素ないのだ。それでもって、盲目の退役軍人を演じるアル・パチーノのすごさに見入ってしまう、そんな映画なのである。おっさんなら誰でも、この映画を見たあとにはアル・パチーノの「ア゛ア゛ハ」みたいな笑い声を真似したくなるに違いない。

しかしまあ、なんでおれはこれを見ようと思ったんだ? ひょっとしたら、フィリップ・シーモア・ホフマンの訃報のときに知ったかもしれない。ちなみにホフマンは名門校の糞ガキという感じで、そこも見どころか。そうでもないか。

いずれにせよ、アル・パチーノが貧しい高校生を飛行機のファースト・クラス、超一流ホテルと連れ回し、フェラーリを乗り回し、でも、その裏では……というところが面白い。そして、最後は胸がすくような思いがする。なんかタイトルから「ラブロマンス?」とか思ってる人は、ぜひ見てみるべきだな、ハハハ!